映画プロデューサーの仕事とは(4)~アニメを海外に売り込む方法~

2009.07.02

営業・マーケティング

映画プロデューサーの仕事とは(4)~アニメを海外に売り込む方法~

ITmedia ビジネスオンライン
“ニュースを考える、ビジネスモデルを知る” ITmedia 編集部

映画やテレビドラマなどを制作する上で大きな役割を果たすにも関わらず、監督に比べて地味な存在と思われがちなプロデューサー。東京ディストリビューション・オブ・コンテンツセミナーで行われたGONZOの内田康史氏の講義では、どうアニメを海外に売り込むかということについても語られた。[堀内彰宏,Business Media 誠]

 『アフロサムライ』の時にはパイロットと企画書を持って、ハリウッドのほとんどのメジャースタジオを回ったんです。「面白い企画だね」と言ってもらえるし、監督もやりたいと言ってくるのですが、会社で稟議として上げようとすると、役員は「コミック?」「アニメ?」と全然分かっていないんです。「アニメは海外にも認知されている」と日本のメディアは騒ぎますが、ハリウッドが実写でやっているビジネスに比べると、ほんの小さなものでしかないのです。

 「これはもう商売にならないな」と思った時にサミュエル・L・ジャクソンが来て、「俺にやらせろ」と言った途端、「サムが入ったならやるよ」とハリウッドの会社が目の色を変えてきたのです。当たり前のことでよくある言い方なのですが「フックをどうやって付けるか」が一番ポイントだと思うので、サムがいなかったらこの事業は成り立たなかったと思います。

 結局、「プロデューサーは人脈ビジネスだ」と言う人もいます。ただ、知っているだけでは全然話にならなくて、その人に信頼してもらえていて「一緒にやろうよ」と本当に言ってもらって、「本当にやろうよ」とお願いした時に、「じゃあやろう」と言ってくれる人がいることが重要なポイントだと思っています。「じゃあどうやって信頼してもらえるか」というと、これは相手にお金で返すしかないんです。お金で返したら「次もやろう」とほとんどの人が言ってくれるので、ビジネスをやっている以上、自分と付き合うことが成功につながると先方に思ってもらうことが大事なのです。その成功を僕が実績として持っているか、あるいはこの先持てる可能性があるかとみられるだけでしょうね。

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