「人に影響を与えること」は、大きくは 「意図的」と「無意図的」 に分けることができます。
変な例ですいませんが、あなたは、ある晩、
酒を飲みすぎて金を使い果たし、
帰りのタクシー賃がなくなってしまいました。
(1回くらいこんな経験ありますよね・・・)
そこで、一緒にいた友人にお金を貸してもらおうと、
丁寧な言葉で頼んだところ、渋々ながらもお金を貸してくれた
とします。
この場合、あなたは、友人に対して
「意図的」
に影響力を行使したということになります。
つまり、意図的な言葉によって、相手から「金を貸す」
という行動を引き出したわけです。
一方、本人が意識しないのに、他の人に影響を与えてしまう、
また逆に、頼まれもしないのに、他の人の影響を受けてしまう
ということがあります。
「無意図的」
な影響力です。
さて、無意図的な影響力は、
『影響力を解剖する』
では、次の6種類が挙げられています。
・参照影響力
・行動感染
・観察学習(モデリング)
・傍観者効果
・社会的促進・社会的手抜き
・漏れ聞き効果
今回は、このうち最初の3つについてご紹介します。
[参照影響力]
これは、たとえば、
好きなタレントや、尊敬する上司・先輩の服装や行動などを
真似することです。
参照影響力は、男性より女性のほうが大きいと
別のところで聞いたことがあります。
女性ファッション雑誌から、カリスマスーパーモデルが
次々と登場するのはそのひとつの現れでしょう。
女性は、スーパーモデルのような女性の理想像に憧れ、
彼女たちと同じ服やアクセサリーを身に着けたいと願う
気持ちが強いのです。
一方、男性ファッション雑誌のスーパーモデルは
それほど注目されませんよね・・・
[行動感染]
「空を見上げていると一群の人たちがいると、
ついその人たちと同じ行動をとってしまう。」
「一人が信号無視をして横断歩道を渡り始めるのを見ると、
自分も横断し始める。」
上記のような例が、行動感染です。
なぜ、無意識レベルで他人の行動を真似してしまうのでしょうか?
ひとつは「好奇心」から、もうひとつは、
「他者と同じような行動をしておけば間違いない、
とがめられることはない」
という付和雷同的心理が働くからです。
これは、『影響力の武器』では、
「社会的証明」
という言葉で説明されています。
「社会的証明」とは、
「私たちは、他人が何を正しいと考えているかにもとづいて
物事が正しいかどうかを判断する」
というものです。
「周りが買ってるから、自分も買わなきゃ」
という消費者心理が生み出す
「ブーム」
も「行動感染」のなせる業ですね。
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2007.08.15
2007.08.16
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。