古書店街の代名詞、神田神保町で日々開かれている古書交換会。太宰治の限定300部の『駈込み訴え』、司馬遼太郎の直筆原稿、与謝野鉄幹が発刊していた詩歌雑誌『明星』など希少な書籍が流通する。古書店主たちはどのように仕入れを行っているのか、その現場をのぞいてみた。[郷好文,Business Media 誠]
古書店街に繰り出そう!
古書店街をぶらりと歩く人々は、ある意味みんな目利きだ。自分の読書歴と読書ニーズを照らし合わせて“仕入れ”をしている。ならば古書交換会の魅力をもっと伝えれば、神保町ぶらりがもっと楽しくなるだろう。明治古典会では年に1度「七夕古書大入札会」を開催、公開オークションを行っている(今年は7月3日~5日)。この時だけは一般客が本を下見して、業者を通じて入札することが可能だ。
さらに、手持ちの価値がありそうな本を“鑑定団”に目利きしてもらえるイベントがあれば楽しいかもしれない。ウチには1937年初版の『ボク(さんずいに墨)東綺譚』があるが、これは価値があるだろうか? 古書検索データベース「日本の古本屋」で調べると最高額6万円(!)とあってちょっとワクワク(笑)。
毎日の交換会にも一般見学場ができればいい。入札風景をぶらりと見物して、古書流通のナマに触れる。築地の魚河岸見学のように“魚に触る”“マグロと記念撮影”とまでなってしまってはマズいかもしれないが、新刊本にはない“自分の目と足で探す楽しさ”を発見できるだろう。皆さん、神田神保町に繰り出しましょう!
-----著者プロフィール:郷 好文-----マーケティング・リサーチ、新規事業の企画・開発・実行、海外駐在を経て、1999年より2008年9月までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略、業務プロセス改革など多数のプロジェクトに参画。 2008年10月1日より独立。コンサルタント、エッセイストの顔に加えて、クリエイター支援事業 の『くらしクリエイティブ "utte"(うって)』事業の立ち上げに参画。3つの顔、どれが前輪なのかさえ分からぬまま、三輪車でヨチヨチし始めた。著書に「ナレッジ・ダイナミクス」(工業調査会)、「21世紀の医療経営」(薬事日報社)、「顧客視点の成長シナリオ」(ファーストプレス)など。中小企業診断士。ブログ→「マーケティング・ブレイン」
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