議論のファシリテーション

2009.06.02

組織・人材

議論のファシリテーション

内田 正志

研修において、参加者にディスカッションをしてもらうことがあると思いますが、どのようにファシリテートすればよいのでしょうか?

私は、議論の進行度合いによって、以下のように関与の仕方を変えるべきであると考えています。(当然すべての議論がこのような流れで進むわけではありませんが)

 

 

【Point1】緊張・牽制している状態

明るめの雰囲気・口調で話しかけたり、参考までに簡単な回答例を示すことで、発言しやすい雰囲気を作る。

【Point2】一般的な考え方や意見が飛び交う状態

浅い意見をしっかりと出し尽くさせることで(参加者から出てこないようであれば言ってしまってもよい)、2回目の盛り上がりで、深い議論をしてもらうための素地を作る。

【Point3】簡単に出てくるような意見は出尽くした状態

考えるきっかけ(ヒント)を与えることで、考えを深めさせる。ここで議論をとめないように注意する。

【Point4】踏み込んだ意見が出て議論が最も盛り上がる状態

より具体的・詳細・斬新な深い意見を出させる。インストラクターとしての目線ではなく、参加者と同じ目線で議論に加わって議論を促進する。

【Point5】考えつくした状態

これ以上続けさせてもあまり良い意見は期待できず、生産性が落ちるので、議論をとめる。

 

特にポイントとなるのはPoint3で議論を止めてしまわないことだと思います。一度場が停滞してしまったり、予定以上に時間が経ってしまうと、参加者のことを気遣って議論を止めたくなってしまいがちですが、真に意味のある議論はこの後に起こることが多いのではないかと思います。

前述の通り、すべての議論がこのような流れで進むわけではないですし、時間的な都合上難しいケースもあると思いますが、本当に重要な議題に関しては、時間を延長してでもこのようなファシリテーションを行う価値があるのではないかと考えています。

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