間違った見える化は、会社全体のモチベーションの低下や、悪者探しにつながってしまう、数字を出すために多大な工数をかけている等々、多くの弊害を含んでいます。 それでは見える化を進めるコツは何でしょうか?
つまり「昨日は飲み会で食べすぎたから今日は減らしておこう」とか
「昨日摂取しすぎたカロリーは今日ジムで消費しよう」とか、
「コントロール」できる「見える化」を同時に行うことが大切なのです。
最近はWebで一日の摂取カロリーを計算できるツールも無料で使えます。
また多くのレストランでもカロリー表示をメニューでしています。
しかし私が知る限り、それらを上手く使って記録し、
見える化している人は殆どいません。消費カロリーも同様です。
また自分の基礎代謝が一日何カロリーなのか知らない人も多いでしょう。
これでダイエットが上手くいかない、と嘆いている人は
ずぼらなだけではないでしょうか?
しかしいざ企業経営となると結果だけ見えるようになって
「見える化を進めています」というケースが多いと思います。
全ての指標を「見える化」する必要はありません。
手間を考えると効果的でも効率的でもないからです。
コントロール可能な「見える化」指標を設定することが重要なのです。
多くの場合、数字は数量×単価の掛算になります。
数量をコントロールできないものの数量や総額を
「見える化」しても意味がないのです。
また結果の数字だけを「見える化」しても意味がないのです。
手が打てる指標を見える化することが重要なのです。
部門別、経費別予算管理などはその最たるものですね。
結果の数字の管理自体が意味がないとは言ってはいませんが、
「コントロールできる」という視点を忘れてしまっては
そもそも「見える化」とは言わないのではないでしょうか。
間違った「見える化」は企業にとって悪い影響も与えます。
トップダウン型の経費削減活動で
会社全体のモチベーションが低下してしまう、
全社的なコスト削減意識が持てないまま悪者探しにつながってしまう、
数字を出すために多大な工数をかけている等々、
間違った「見える化」を進めることによる弊害を
いくつもの会社で私は見てきています。
我々は調達コンサルタントとして
多くの企業のコスト削減活動のご支援をしています。
これは意味のある「見える化」を行い「無駄を排除する」活動に他なりません。
このような活動はお医者さんも同じです。
お医者さんは患者さんの検査を行い「見える化」を行い
「コントロールできる」データを薬なり、療養なり、
その他の治療で「コントロールしていく」ことです。
企業のコスト削減活動における「見える化」の最大の効果は
「支出抑制」「無駄な出費の排除」です。
実は「見える化」は昨今のコスト削減活動における太い骨になっているのです。
今回は「見える化」に共通する一般的な3つのポイントについて述べましたが、
次回は特に企業のコスト削減活動における
意味のある「見える化」のやり方とポイントについて述べたいと思います。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。