間違った見える化は、会社全体のモチベーションの低下や、悪者探しにつながってしまう、数字を出すために多大な工数をかけている等々、多くの弊害を含んでいます。 それでは見える化を進めるコツは何でしょうか?
1.「比較する」は単に見える化するだけでは意味がなく
「比較する」ことが必要だということです。
「計るだけダイエット」方法でいうと朝と夜の体重の比較、
トレンドでの減量状況の把握(過去の体重との比較)、
それから目標体重との比較等があげられるでしょう。
「比較」方法としては
・時系列での比較
・他との比較
・標準との比較 があげられるでしょう。
企業経営では例えば事業部門収益にしても、前年比較、他部門比較をしなければ、
そのレベルが適正なのかどうかわかりません。
例えばコスト削減活動で携帯電話料金を削減しようとした場合には、
使用料が高いヘビーユーザーリストを作成します。
そして使用量に対して
「他の人に比べて使用量が多いですよ、無駄な使い方はありませんか?」
というような注意喚起がなければ、ただの数字の羅列になってしまいます。
2.「意識する」は前述の「比較する」にも関連しますが
「意識をさせる」ことができる「見える化」をしなければ意味がない、
とも言い換えられます。
「計るだけダイエット」は体重を計るだけでなく記録をします。
またそれをグラフ化することで無理のないダイエットができているか、
ちゃんと成果がでているかが一目でわかります。
この「一目でわかる」が大切なのです。
よく企業でやっている予算管理で、
収益やある経費が急激に減っている(増えている)ことがあります。
こういう場面で多くの企業では「何で?」と果てない原因究明が始まります。
数字をこねくり回して経費削減の意識を持つことはおざなりになってしまい、
長時間かけ原因究明に成功して、そこで終わり。よくあるケースですね。
これは私に言わせると「見える化」ではありません。
先ほどの携帯電話代であれば全社経費トータルで
「見える化」をしても意味がありません。
個人別の実績からリストを作り「比較できる見える化」を行わないと
「意識する」ことなんか不可能です。
最後の3.「管理する」は一番大切なポイントです。
日本語の「管理」という言葉はあまりにも抽象的なので、
ここでは「コントロールする」という言葉で考えてみてください。
また、ただ「コントロールする」ではなく
「コントロールできる」「見える化」を行うということを考えてください。
「計るだけダイエット」でも当然のことながら
何かをしなければ体重は自然には減りません。
ここでの管理可能な指標の代表は「摂取カロリー」と「消費カロリー」でしょう。
自分の体重を意識し(意識する)、体重が思ったように下がらなかったら、
「コントロール」しなければなりません。
そのためには一日何カロリー摂取したのか、また何カロリー消費したのか、
これが「見える化」できていれば、
より上手く「コントロールする」ことが可能となります。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。