最近、カタログに書いてあるようなことしか語れない営業マンが増えているという。そこで商品語りの達人、スミ利文具店の藤井稔也さんに商品を紹介するコツを聞いてきた。 [郷好文,Business Media 誠]
一方、メーカーのプラチナの同商品Webサイトはどうだろうか。わずか177字の商品紹介とボトルの外観写真のみ。文字数が多いから良いわけではない。でもコアな商品だからこそ語るべきではないのか。プラチナに悪意はないが、藤井さんの語りの方がよほど販売に貢献している。現に藤井さんの語り書きに感動して「(文具店に行かず)スミ利で買います」という声もネットに目立つ。
カタログに掲載するのではなく、買ってほしいから書く
――どんな文章を心掛けているのですか?
藤井 文章については完全に素人でして、もちろん何らトレーニングはしていません。下手でダラダラと長い。文章の長さと頭の悪さは確実に比例すると思います(笑)
そう謙遜する藤井さん、自前サイトの気楽さで文字数制限もなく、起承転結も考えずひたすら書くと言う。商品への愛情がなければここまで書けない。“自分以外の誰かに(その良さを)分かってほしい”から書くという。
近頃は、うまく体裁を整えるのが最優先で、カッコ良すぎる文章ばかり。「メーカーのカタログは『品物を売るための文章』『買って欲しいための文章』『分かって欲しいための文章』ではなく、『カタログ掲載という仕事をこなすための文章』になっているものが非常に多い」と彼は嘆く。確かに文具のようなコアな衝動買い商品は、読みたい人は重箱の隅まで読み抜く。あっさり紹介は単なるガイド、労苦をいとわずに書かれたこってり語りが“買い”につながる。
「いくら自前のサイトでも、当事者のメッセージが伝わらないサイトは『下手』と言うより、何だか『止まった』『無機質な』『寂しい』『やっつけ仕事』な感じがします」(藤井さん)
カタログやWebサイト制作、外注しても社内外注しても、そこに当事者のメッセージさえ伝われば「上手い」宣伝になる、と彼は語る。文章はヘタでも、日々書き続け、より良い表現に修正すれば評価する人が増えるという。藤井さんのアドバイスをまとめてみよう。
* 自分が見たい角度・見たい部分の写真を自分で撮影する
* 体裁(文の長短、形式だけの起承転結)にこだわらない
* 「分かって欲しい」「分かってくれるかな」と考え続けて書く
* 書いた後も気付きがあれば、随時修正する
* 当事者ならではの真剣なメッセージを伝える
語りは“真ん中にあること”を見抜くことから
なぜ語りは難しいのか? 面倒だから? 知識が足りないから? 効率が悪いから?
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