アパレルファッション業界 ファストファッションの競演

2009.05.09

経営・マネジメント

アパレルファッション業界 ファストファッションの競演

井上 和則
株式会社リーダーズ 代表取締役  文化学園文化ファッション大学院 教授

FOREVER21が4月29日、原宿に日本1号店をオープン。全般的な消費低迷の中でアパレルファッション業界でファストファッションが勢いづいています。

4月はアパレルファッション業界にとって話題の多い月でした。

業界においては百貨店をはじめとする全般的な消費停滞は続いていますが、今がチャンスとばかりにファストファッションに関しては外資プレイヤーがメインとなりすさまじい出店競争です。出店に伴い驚くべき売り上げ記録が出ています。

特に原宿エリアの出店は強烈です。既にGAP(米)、ZARA(スペイン)、H&M(スウェーデン)が出店していましたが、4月29日にはなんとH&Mのすぐ隣に米国の小売チェーンFOREVER21が出店しました。予想していたようにオープン時は長蛇の列です。明治通りのショップから表参道の交差点を曲がり原宿駅の方まで入場待ちの人が続きました。FOREVER21は経営者が韓国系のアメリカ人という事もあり、日本に先立って韓国では出店済みです。

1万円あれば頭から足元までトレンディーなカジュアルファッションアイテムを揃えらというのですから特に若い女性にとっては魅力的です。カワイイ好きの日本人にはH&Mよりさらにブームを巻き起こすように思います。

それに先立って24日には表参道通りをはさんだ反対側に日系企業のポイントがコレクトポイントという自社ブランドの大型複合店を出店しています。外資系企業ほど媒体には取り上げられませんでしたが、早々にショップを見にいきましたが、イメージの良い店内にはそれなりの集客がありました。資本力のある外資系企業がPRに大きな予算を掛けて進出してくる中で奮闘が目立ちます。

ユニクロも23日に新宿に都内最大のユニクロ新宿西口店を出店しました。戦略的だと思うのですが、ユニクロの特性を考えると原宿への資源投入を避け、新宿というエリアに大型店を出店したのは正しい選択だと思います。

シマムラも最近は若いギャル層にも人気が出てきており、独自の路線で出店を拡大しています。

さらに今年の末にはあのアバクロンビー&フィッチが銀座に出店してきます。ワクワクする2009年です。

リーマンショック以降、高額品の消費が減り、流れとしては適正価格の衣料品に客層が流れています。出店は今がチャンスである事は間違いありません。
消費低迷の話題が多い中でこのファストファッションだけは間違いなく勢いを感じます。

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井上 和則

株式会社リーダーズ 代表取締役  文化学園文化ファッション大学院 教授

アパレル・ファッション・ライフスタイル業界専門の経営戦略・マーケティング・M&A支援会社(株)リーダーズ 代表取締役。  京都工芸繊維大学繊維学部卒業。米国サンダーバード国際経営大学院経営学修士 (MBA)。 商社に20年間勤務後、数社のアパレル企業の代表として企業再生・業務改革に従事。 2007年に(株)リーダーズを設立し、上場企業から中小企業に至るまで経営戦略支援を行なっている。 文化学園文化ファッション大学院ファッションビジネス研究科教授 (「企業経営論」「ファッションビジネス起業論」他) http://bfgu-bunka.ac.jp 1級販売士、ビジネス法務エキスパート(日本商工会議所)、ファイナンシャルプランニング技能士 (財)日本ファッション教育振興協会 ファッションビジネス能力1級検定委員 ファッションビジネス学会所属

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