2009.05.09
カフェスタ、サービス終了~甘えているコミュニティ運営者に喝!
寺西 隆行
(株)Z会
会員数が約180万のSNS「カフェスタ」。運営を続けるために“お金払って~”という最後の訴えも届かずサービスを終了します。 ライブドアをはじめとし、終了したSNSは世の中に数多ある、という現状を、“お金を取らずに運営を続けられる”環境にある運営者は肝に銘じ、常に“このサービスは利用者にお金を払って戴けるだろうか?”と考えていることが、良質のコミュニティ創造につながります。
しかしここに盲点があります。
「利益をあげなくてもよい」という甘えが発生する、という盲点が。
利益を出さなければいけない、というコミュニティの運営者は、利用者を増やすことで広告収入を伸ばすことを考えたり、利用者に有料会員に昇華してもらったり…ということを真剣に、真剣に考えます。
その真剣さはサービスの向上となって跳ね返ります。
一方で、利益を出さなくても良い、というコミュニティ運営者。
利用者に気持ちよく使ってもらえればそれでいいんだ…
少ない人数でもその人たちに喜ばれればいいんだ…
社内で任されたから仕方なくやっている…
社内の人間しか使わないからこれくらいで十分だろう…
そう考えがちじゃないですか?
この考えには、カフェスタがメールまでだし、ユーザーに訴えた真剣さはありません。
たとえ収益性が求められないサイトであっても、「これはどれくらいの価値を生み出しているか?」「ユーザーはいくらだったら利用してくれるか?」という「値付け」の意識を常にもっておくべきなんです。
サービスの向上もさることながら、企業活動の一環として行う必要性をしっかり弁えるためにも。
そうすれば、ほんのわずかな利用者に「良いサイトだと思う!」と褒められることだけに踊らされることなく、サイトを真剣に見つめることができますから…
そして、もし、価値がほんのわずかしかない、と判断すれば、運営者は運営を止め、その時間を別の社会価値を生み出せる活動に移すことが、企業活動として善ともいえます。
本気の運営者は、捨てる勇気もあるんです。
収益性が最大のネックだったカフェスタですが、きっと運営者に捨てる勇気があったと思います。
自らもSNSを運営している企業の一員として、自戒を込めて。
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