子ども達に、学問の面白さを伝えていくことが教育には必要だ! …それって、ホント? いや、面白さが伝われば理想ではありますけどね… 伝えたい、は、伝わらないんです、きっと。
本投稿記事は、毎日更新中のZ会ブログ
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の話題を元に、本サイトの読者層に合わせた形で修正しております。
4日(土)の日経新聞夕刊、「あすへの話題」のコーナーは、物理学者・俳人の有馬朗人氏の寄稿。
要点をまとめると下記のような感じです。
・1992年のピーク時に205万人だった18歳人口は、2010年には122万人となる予想だった。
(補足:1992年には0歳児人口が確定しているため、そこから2010年人口を算出したものを「予想」と述べていると思われます)
・大学は学生数を減らさないから、進学率急進、学生の平均学力が下がることは明らか。
・だから専門教育の前に、一般・教養教育が必要になると思っていた。
(補足:1992年当時、有馬氏は東大の総長でした。1993年に東大の教養学部改革が実行されています)
・4年制大学への進学率は1990年の25%から今では50%を超えた。
・分数ができない学生が生じるのは義務教育のせいではなく、入試の少数科目制と進学率急伸のためである。
・この時代こそ、大学生にまず学問の面白さや学び方、基礎的一般教養をきちんと教えた上で専門教育をすべきである。
全体について、うなづけるものばかりです。
ただ、1つだけ、このテの文章を読んでいていつも気になることと同じ部分がありました。
学問の面白さを教えるとはどういうことなのか。
基礎的一般教養をきちんと教えるとはどういうことなのか。
この部分について、それこそ「きちんと」述べられていない文章が(今回の寄稿文を含め)世の中には多いと感じるのです。
まず…
寄稿者自身が学生時代に経験した「(学問が)面白い」と感じた部分は、本質的には変わらないかもしれませんが、今の学生と表面的な感性が違う以上、寄稿者が感じたことと同じ視点で、よくありがちな、
「ほうら、こんな実験すると、こうなるから面白いでしょう?」
と伝えても、伝えきれないところってあると思うんです。
くどくなりますが補足しますと…
そういった伝え方で「面白い」と感じる人もいないわけではないでしょう。
けれど、大多数には伝わらないと思うわけです。
やっぱり人間って自分勝手な生き物ですから…
・知っておかないと困る
・知っておくと得する
・知っておくことが(何かしらの)自己満足を生む
という(相手の)感情を引き出す「(教え方の)面白み」をもって伝えることが大切なんだと思います。
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