店の前の放置自転車、どうやって減らすか

2009.03.23

営業・マーケティング

店の前の放置自転車、どうやって減らすか

笠井 清志

最近では、店舗の前の迷惑駐輪で困っている事業者様が多くいらっしゃいます。皆様、このような迷惑駐輪をどのように減らせばいいのかをお伝えしたいと思います。今回は、私の事例も踏まえて説明していきます。

けれども、これも結果的には成功しませんでした。自転車の移動中に持ち主が戻ってきて口論になるトラブルが続発したのです。「勝手に移動するな!傷つけるな!後で買い物をする予定だったのに!」と言ってくるわけです。

こういったトラブルがあると、従業員も自転車の移動作業をしたくなくなります。結果、従業員からもやり方に不満が出て、この方法は継続できなくなりました。

C店では、店頭に看板を設置しました。「放置自転車は見つけ次第警察に通報します」「放置自転車は撤去します」という文言を記載した看板です。この方法は、看板設置当初こそそれなりの抑制効果がありましたが、しばらく経つとまた同じ状況に戻ってしまいました。

今の文言では抑止効果が低いと考えた店長は、「放置自転車は犯罪だ!」「駐輪後30分経過した場合、自転車を撤去する!」とより過激な文言の看板を立てるようになっていきました。

結果、放置自転車はなくなりました。ただ、ここまでやってしまうと、今度は何も問題を起さない客が嫌な気分になります。自転車で店に買い物に来ただけなのに、店に入る前から「犯罪だ!」「撤去する!」と言われたら嫌ですよね。放置自転車がなくなっても、買い物客が減ってしまっては意味がありません。結局、これも失敗しました。

■看板、清掃、声掛け、実力行使


D店では、「抑止効果」と「適度な実行力」を組み合わせました。まずは店頭に抑止効果を期待して、注意書きの看板を設置。加えて、店頭の清掃を徹底しました。人間は基本的にきれいな場所を汚したくないという心理が働くものです。店頭を常にきれいにしておけば、放置自転車が減ると考えたわけです。

従業員は、頻繁にゴミを広い、水を撒き、鉢植えなどを置いて駐輪スペースを常にきれいな状態に保ちました。さらに、清掃をしながらやってきた客に「いらっしゃいませ」と大きな声であいさつをするようにしました。従業員からあいさつをされたら、放置自転車もしにくくなります。D店は、看板+清掃+声がけの3つで放置自転車を少しずつ減らしていきました。

そのうえで、どうしても発生してしまう放置自転車に対しては実力行使をしました。数時間経過した放置自転車は、店頭の隅に集めてロープ状の鍵で束ねたのです。放置自転車の上には、「店長までお申し出ください」のメッセージをつけました。「今回は大目に見ますが、次回は許しませんよ」ということです。

自転車の持ち主が申し出をしてきた際は、軽い説教に加えて、今後もご利用くださいというメッセージも伝えていました。数日間放置された自転車の場合は、警察に伝えて駅前の放置自転車撤去に合わせて移動します。

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