ユーザー事業者数30万超。約90万種類もの商品を扱い間接資材のAmazonともいえる存在がMonotaRO、流通の仕組みが遅れた分野にネットで風穴を空けた革命児である。ただし革命には旧態勢力からの抵抗が付きもの。数々の試練に打ち勝ち、上場に到った同社の歩みを紹介する。
創業以来五期連続で増収増益となるMonotaROにはいま、追い風が吹いているという。
「景気が悪くなるとまずコスト削減を考えますよね。新規会員獲得には絶好の追い風になります」
勢いに乗ってMonotaROは自動車のアフターマーケットに参入した。スパークプラグなどのパーツを整備工場やガソリンスタンド、あるいはカーディーラーに安価で提供する。この分野でも確実に売上を伸ばしてきている。
「会社は社会の裏返しだと僕は考えています。だから会社に関わっている人たちには仕事を通じて幸せになってほしい。そのためには、働いている人たちが自分がやっていることの価値を理解していることと、その仕事をすることで周りの人から敬意をもたれることが大切なんです。僕はMonotaROをそういう会社にしていきたいと思っています」
MonotaROは今後も、どんどん品揃えを増やしていくだろう。そして顧客ごとに積み重ねてきたデータに基づき、きめ細かなサービスを展開していくはずだ。その姿はがネット通販で完全なガリバーとなったAmazonにだぶってみえるのは、決して気のせいではないはずだ。
~特集インタビュー
「MonotaRO、間接資材通販サイト、圧倒的トップへの軌跡」完~
【Insight's Insight】
Amazonの前にAmazonなく、Amazonの後にAmazonなし。これが現状だろう。一時期メディアの近未来を描いたフラッシュムービー『グーグルゾン』が、ネットで話題を集めた。数年先、AmazonとGoogleが合併して生まれる企業『Googlezon』に世界は支配される。極端にいえば、そんな内容である。
そしてAmazonは何もGoogleと合併せずとも、すでに超・独占的なポジションを確保している。それはもはや「ネットでの」通販といった冠付きのことばではなく、ただ通販といえばAmazonなのだ。商品検索、発注方法、レコメンデーションから配送に到るまで、通販はAmazonがデファクトとなっている。
これを同じモデルをAmazonが手を出していない唯一のジャンルで着々と実現しているのがMonotaROだ。Amazonの本質・ロングテールビジネスと通販の融和生の高さをいち早く見抜き、それを産業資材、間接資材に持ち込んだ瀬戸社長の眼力の高さには敬服するしかない。しかも後続の追随を断ち切るための思いきった初期投資が効いており、今からMonotaROもどきを立ち上げようとしてももはや不可能。絶対的なポジションを築き上げている。MonotaROの成長余地はまだまだいくらでもある。しかも不況に強いビジネスである。この1、2年での伸びは要注目だ。
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FMO第21弾【株式会社MonotaRO】
2009.03.17
2009.03.10
2009.03.03
2009.02.25