ビジネスコーチ株式会社発行のメールマガジン『組織活性の秘訣』の人気コーナー“マネージャーという仕事”。マネージャーの方に必見のコラムです。
【問】仕事ができない部下に困っている
営業部長をしている43歳の者です。指導しているものの、仕事ができずに困っている部下がいます。指導している間は分かったような素振りを見せるのですが、まともにできたことがありません。最近は、部下が自分の話を聞いているのかどうかさえ分からなくなってしまいました。どう指導していけば良いでしょうか?
(機械メーカー 営業 男性 43歳)
【答】あなた自身の意識のスタンスを変えるべし
私は、『部下指導の方法を考える』という、あなたの思考の出発点が間違っていると思います。この思考をしている限り、部下の本当の成長はないでしょう。
ご質問内容から察するに、あたなは“部下を変えよう”という意識をお持ちのようです。さらにこの意識の背景に、こんな思考が働いていると思います。
『 私は正しい、部下は間違っている 』
『お前は間違っているよ』とあなたの否定のレッテルが、部下の防衛反応を引き出しています。人は否定されることに、恐怖を感じます。
この回答の冒頭で「あなたの思考が間違っている」という文章を読んだとき、ドキッとしたでしょう。これが、否定の恐怖というものです。
恐怖は人に「逃げる」か「闘う」かの反射的行動を起こさせます。あなたの部下は「逃げる」という選択をしているようです。
別の見方をすると、否定という恐怖を受け入れるだけの精神性が部下には、まだ育っていないともいえます。
よって、部下はあなたの言葉を受け入れることができない。何をいっても、あなたの言葉は右から左。部下の心に響かない。そうすると、さらにあなたはイライラします。イライラは、部下をより一層否定する原因となり、部下はさらに心を閉ざす、といった悪循環の状態を生み出しているのです。
さて、ここで別の観点から考えていただくために、質問をします。
「あなたは上司として成長していますか?」
私の経験ですが、『部下が成長しない』という上司に限って、上司自身が成長をしていない場合が多い。私自身も部下が成長しないとイライラするのは、慢心している時に限ってでした。
部下は上司の成長に引っ張られて、成長するものです。部下はあなたの鏡です。あなたが成長していないことを示してくれているのです。部下は、あなたの成長のきっかけを作ってくれているのです。
私の伝えたいことが伝わったでしょうか?
指導法は、後なのです。まずは、あなた自身の意識のスタンスを変えること。部下を否定している気持ちを捨てて、部下の存在に感謝をしてください。
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