もはや常識!?ダイバーシティ・マネジメント①

2009.03.05

組織・人材

もはや常識!?ダイバーシティ・マネジメント①

山岡 仁美

「ダイバーシティ」とよく耳にしませんか。昨今では、組織運営の常識となりつつあり、その取り組み次第で会社が発展するか否か、などとまで言われるようになってきました。その「ダイバーシティ」を推進するマネジメントのヒントをシリーズでお届けします。

①ダイバーシティとは?

ダイバーシティ(diversity)とは、元をたどると欧米のビジネス社会が発祥です。直訳をするとdiversity=多様性の意味です。日本では1990年代から注目が高まり、21世紀を迎え、新たな課題とともに、現在、多くの企業がいかに多様性を活かす組織づくりに取り組むのか、さまざまな施策とともに推進しています。

多様性を活かす組織づくりといっても、何をもって多様性なのか、また何を持ってそれを活かす組織なのかという解釈については、抽象的・曖昧になりがちです。そこで、次のように定義づけをすることから理解をはじめましょう。

1. 人口・民族・個人などの差の正しい認識を促進することを目指す組織(企業)の文化的進化

2. 個人間や集団間に存在する様々な違いを源泉として活かすための制度やプログラムなど、マネジメント全般

3. 性別・年齢・国籍などの価値や発想を取り入れることで、企業の成長と個人のモチベーションに繋げる戦略

②ダイバーシティ・真の目的

いかに多様性を活かす組織づくりに取り組むのか、つまりダイバーシティ推進を課題にあげ、実際に成果へと繋げている企業は増えています。しかし、その動機は、例えば高齢少子化や外国人労働者の増加など、社会的背景に応じるための、必然的なものから発せられている状況です。

しかしながら、上記①の3つの定義付けを踏まえ、社会風土や文化に対応し、従業員個々を活かし、組織の強化を図る「企業戦略」として実現の道を辿り、結果として内外ともに評価の高い、つまり成果が見受けられる優良企業も存在します。

「女性・障害者・外国人などの多様な人材の活用はややこしい」「育休を取られたら結局現場は混乱する」「社員を必要以上に厚優遇することになりコスト増につながる」と旧式の観念で否定的な経営者も少なくない一方、この課題に積極的に取り組んでいる企業は業績がよいということを実証する調査結果も出ています。

ダイバーシティは、社会背景から生じる必然ではなく、企業戦略として考えるという意識チェンジが必要であり、その真の目的は「企業の発展を図ること」なのです。

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