2007.07.05
「キャラ立ちする社員」
増田 崇行
株式会社クエストコンサルティング 代表取締役
「時代が求めるパーソナルブランド」第3弾。 企業で働く社員のパーソナルブランディングとはどういうことなのか? 単に「目立つこと」なのか、それとも漠然とした印象のことなのか? ブランド論と関連させながらパーソナルブランドの真実に迫ります。
B氏は「大学ブランド再生屋」という看板を引っさげて、鳴り物入りで乗り込んできたのだ。
評価を決める噂と評判
「その人に対する会社での評価って、ほぼ決まってるんですわ。」
東証一部上場の食品メーカーの専務さんがつぶやいた言葉だ。
その会社の執行役員に対して、次期の取締役候補を選抜する人材評価(アセスメント)プロジェクトの時だった。
2,000人規模の企業だが、執行役員クラスになると社長からも当然顔は見えている。
「でもな、評価は最初からあるわけじゃない。どんな人でも異動したときは、まず始めに周囲の“噂”になる」
特に、職場を異動した、転職してきたといったキャリアの節目では、どんな人でもこの状況に遭遇する。
噂の前提としてその人に対する期待があるし、「ナンボのもんなの?」というお手並み拝見的な目にさらされるのである。
ここがその場でのパーソナルブランドを決める勝負どころだ。
期待以上の成果をあげると、「なかなかやるな」「う~ん、さすがだな」となり、自分の得意な良い仕事が舞い込んでくる。
逆に期待を下回ると「なんだ、大したことないじゃない・・・」「ありゃ、ダメだ」となり、かなり厳しい状況に追い込まれる。
「大学ブランド再生屋」として転職してきたB氏も例外ではない。
さきほどの専務さん曰く、
「そして、その噂が真実とわかると徐々に評判になっていく。評判になると、社内でも名が売れて、そのうち社長の耳にも入る可能性がある。」
「良い評判も悪い評判も、そのうちに組織における“評価”となり、「彼は~~だ」「彼女は~~だ」という固定的な評価となってしまう。これは簡単には覆せないんだよ・・・」
豊かな経験と高い見識に裏打ちされた言葉には、妙な重みがあったことを記憶している。
パーソナルブランディングは、周囲の人の自分に対する評判と未来への期待をマネジメントすることでもあるのだ。
あなたがバイネーム(指名)で仕事を任されるためには、どうすればよいのだろうか?
(つづく)
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増田 崇行
株式会社クエストコンサルティング 代表取締役
2006年5月に株式会社クエストコンサルティングを設立しました。 組織人事領域におけるプロデューサーとして、クリエーターとのコラボレーションによりユニークなサービス、ビジネスを開花させてきました。今後も「Quest for the Human Brightness」をコンセプトとして、インパクトのあるサービスを開発しご提供することで、人と組織の本質的価値の向上に貢献できたらと考えています。