もはや古いですが、経験経済的価値をもう一度、考えてみようと思います。これからは商品の使用を通じて得られる経験を売るんだ!とよく言いましたね。例えば、スターバックスはコーヒーを売っているのではない、スターバックス体験を売っているんだ!とよく言いました。
そんな人間を相手にして、毎回感動を与えるんだ!と言っても、実際は再現性がなさそうな気がしますよね。
でもね、意外と期待していないところでちょっとしたことをしてくれると感動しますよね。
美人ではないけれど、実はすごく手が綺麗だった、というところにドキッとしたり。
逆に美人の座り方が無作法だと、イラっとしたり。
人は、商品を使用したり、体験したりする前に、ある程度の期待感があります。東大出身なのに頭が切れないと、評価下がりますよね・・・。
だから、なるべく期待させずに、買ってもらって、期待価値は満たしつつ、期待していないところを満たすと、感動してくれます。ブランドロイヤリティーが上がりますよね?
そういうことを意識したマーケティングプロセスを組まないと、長期的に儲からない、どんどん値引きされる。
よくブランドプロミスと言いますが、あんまり過大な約束をすると、クレームにつながります。場合によっては瑕疵になります。
そりゃそーですよね。
ただ、集客、セールスは約束をしたほうが、反応率と成約率は上がります。でも、同時に、解約率とクレーム発生率も上がるんですけどね。
約束なんかしないで集客できるビジネスのほうが儲かるのがわかりますか?そして、コストも下がることがわかりますか?
約束していないから、何を提供しても、期待以上という状況を作り出せる。クオリティ保障もしてないから、コストも下げられる。でもまあ、なかなか約束しないと「売り」が上がりませんけどね。
ここからはケース的にエアコンで考えてみましょう。
エアコンの価値は文字通り、空気を生活に快適になるように調整することだと思います。凍えるような冬の日、部屋に帰ってきてエアコンのスイッチを入れたのに、エアコンの効きが悪いと怒りがこみ上げてきますね。
で、今時のエアコンのテレビCMを見ると、温度が見えるとか、電気代が見えるとか、そういうことを約束していますよね。そして、有名なタレントさんがお勧めしてくれる。
ティピカルにコモディティですよね・・・。
「うるるとさらら」の「ぴちょん君」のほうが、まだ体験的です。
「ぴちょん君」的な世界観を共有しましょうという約束をしたところで、何のコストもないですよね?わかります?
ぴちょん君の世界観作りをどの程度やっているのか知りませんが、その世界につながりましょう、という約束をしただけで売れるのなら、すごく楽です。
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バリューデリバリーシステム
2009.03.10
2009.03.02
2009.02.01
2008.06.21
2008.06.19
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。