以前に、マッチングビジネスを立ち上げるプロジェクトをやっていたことがあります。最近ではマッチングを自動的に成立させるスキームを組んで、そのスキーム使用料金で儲けるビジネスもありますね。今回は、マッチングビジネスについて考えます。
つまり、施策の企画書が10個ぐらいあって、それを実行してつなげていくと、スキームが見えるような、結果的にスキームができてしまうようなものであれば、うまく行くんですね。
マッチングビジネスをやる仲介者は、全体像を自分たちで把握する必要はありますが、関係者全員にその説明をする必要もないのです。
当然ですが、ベンチャーキャピタルには全体像から説明してくださいね。彼らは経営側、胴元側の視点を重視しますので。
1つ1つの施策の企画に、乗るの、乗らないの?と聞いてみて、乗る!是非やりたいということになる。その1つ1つの施策の束がスキーム全体を動かしている。
スキーム全体が動いていることは、個別施策の関係者には、関係がないのです。
個別施策の関係者にとっては、1つ1つの独立した施策で完結してメリットが受け取れる。それでいいんです。
全体のお金の動きはどうでもよく、関係するアクションで、メリットが取れていればそれでいい。
スキーム発想で、消費者を動かそうとして、動かないというのはよくありますよね。
昔、また別の話しですが、ある少女雑誌の読者を既存の携帯サイトに誘引しようというプロジェクトが大失敗でしたね。
長期的な意味合いで見れば、読者にも大きなメリットがあるスキームでしたが、読者はそんなことでは動いてくれませんでしたね。詳述はできませんが大失敗でした。
これは、関係者によって、全体が違うという事に対する認識が薄いことに起因していると思います。
概念的なお話しで恐縮ですが、同じ絵を見ても、人によっては見え方が違いますよね。何度も触れていますが、騙し絵のように見方によって、違う全体像、違う部分に見えるものがありますよね?過去の記事はhttp://www.insightnow.jp/article/1309です。
1つ1つの施策が、関係者の目にどう映るのか?が大事なのであって、スキーム全体が成立することは、胴元にとってしか意味がない。
ある関係者に対して、施策の意味合いの押し付け、胴元から見た押し付けがあると、その関係者が本来見るべき意味合いがぼやける可能性があります。
マーケティングでよく言われる消費者視点。この視点の特徴は、物事を、複雑に、部分から、入り口から捉えることにあります。これ、大人気の「フェルミ推計、地頭力」とは正反対ですね・・・。
スキーム発想はまさに地頭力がある人の視点を関係者に押しつけるところにあるように思います。「フェルミ推計、地頭力」批判は以前にも書きました。記事はhttp://www.insightnow.jp/article/1309です。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。