今日は、戦略策定アプローチの1つであるシナリオプランニングをご紹介します。内部、外部環境から自社の方向性を定め、打ち手を定めていくことは通常の戦略策定と同じですが、複数の外部環境オプションを定めて、自社の方向性の幅を定めていくところに特徴があります。
そういう時に使うフレームワークとして、PESTフレームワークというものがあります。
Pは政治とか規制とかそういうもの、いわゆるPoliticsのことですね。最近景気対策を政府が決定していますが、そういうものも含みます。
Eは経済、いわゆる景気指標とか、産業規模とか、そういうもの、つまりEconomicsのことです。自動車産業は今後どう考えても縮小傾向にありますが、自動車部品メーカーであれば、自動車産業の規模はとても重要な指標です。
Sは人口動態や、社会的意識の変化、いわゆるSocietyに絡むものです。ちょっと昔のことですが女性の社会進出意識が高まっている時期がありましたが、そうすると、女性が職場で使うものが売れたりする可能性があるのでは?という仮説も成り立ちますね。
Tは技術動向です。いわゆるTecnologyですね。今まで1億円のコストがかかっていたのが、100分の1でできるようになる!というのも技術革新ですね。
そういうことは業界に非常に大きな影響を与えます。
長々と説明しましたが、この4つの要素が今後どう変化するか?に関してシナリオを作ることができますよね。例えば、政治的に考えると規制強化の方針が取られる可能性が高くて、社会的には高齢者人口が減るから潜在需要は増える、など。
この4つの要素の組み合わせのパターンをいくつか用意するんですね。そうすると、マクロ環境がどう変わるのか?のパターンでありそうな変化が見えてくる。当然、自社、自業界にとって意味ある変化のパターンを作らないといけないですよ。
その上でミクロ環境の分析もしないといけないですね。よく使われるのはファイブフォースモデルと言われるフレームワークです。
詳細な説明は今回は割愛しますが、5つの力によって、業界は影響を受けるというものです。
その5つの力とは、新規参入の脅威、競合企業の動向、代替製品・サービスの脅威、顧客の交渉力、供給業者の交渉力の5つです。
成熟市場をかきまわす新規参入業者は恐ろしいですよね。コーラ業界は、コカコーラとペプシの2大巨頭ですが、ヴァージンコーラの参入やら、PB商品の参入も一昔前にありましたよね。2大巨頭側にしてみれば、もしもヴァージンが大きくなったら?というのは脅威だったと思います。
また、当然ながら競合企業が何かやってくるのは脅威です。ペプシコーラとコカコーラはいたちごっこのようなことを繰り広げているように見えますよね。ペプシがNEXを出せば、コカコーラがZEROを出すというように。かぶせあいですね。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。