ネットコミュニティを運営する際、アタマを悩ませる「利用者からのクレームへの対処」。 ネットコミュニティには、「商品・サービスへのクレームに対処する」以上の難しさがあります。
上記で取り上げたものなどまだかわいいものです。
クレームをつけた方が、“自分特有の気持ち”にのっけて“相手を批判する”例なので、クレームの普遍的要素は余りなく、“その人がそういう気持ちになった”だけですから。
ヤッカイなのは「クレームをつけた方が、“相手を想定する”ことがなかなか難しい例」という場合。
つまり、「誰だってクレームしたくなる」ような発言、だけれども実は書き手にとっては「心からの叫び」であるケース。
随分以前の話ですが、こんなことがありました。
その発言には、今の日本社会を辛らつに批判し、しかも「死んでしまえ」などの、余り子ども達には好ましくない言葉がかなりありました。
クレームが数件、届きました。
しかし…その方の古くの日記を見て、行間を読むと、わかりました。
その方は障害を持っている方だったんです。
そして、社会から、「障害を持った人間」として見られた経験、何度もしてきた方だったんです。。。
自分が障害者だったら。。。
真剣に真剣に想像しました。
「うん、こんな気持ち、なるかもしれない」
よくわかりました。
けれど、「その書き手が障害者かもしれない」という想定は、できる人のほうが少ないでしょう。
できない状況であれば、その発言は、行き過ぎととられてもおかしくない発言でした。
その発言を削除すること、僕はしませんでした。
そして「削除すると余計その人を追い込む、という状況をわかってほしい」と、クレームをつけてきた人に説きました。
分かってくれた人もいましたし、分かってくれない人もいました。
けれど、「削除しない」という方法をとるしかありません。
ネットコミュニティを運営する際の本当の覚悟とは…
「行き過ぎた発言」を「行き過ぎた発言」と指摘した意見をそのまま受け入れない。
ここがキモのような気がします。
そして、参加者すべてに、ずっと、ずっと…
「世の中にはいろんな人がいる、という価値観を説いていく」
大変ですけどね。。。
教育に従事している以上、人一倍、頑張らないと。
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