今日はお客様の予算のお話しです。お客様がいくらニーズがあっても、使える資金がなければ、買うことはできません。問い合わせがあったとしても当社が想定する価格帯のお客様とは限らないのです。
有名なベインアンドカンパニーさん。ある大手商社の知人が戦略ファームを呼んで見積もり、提案を出させようとしました。ベインさんに、「うち、月に6000万からしかやりませんよ、出せます?」と言われて、「ごめんなさい。出せません」と言ってお帰り願ったそうです。
まあ、実際の提案をする前に、価格帯を言っておくと、完全に無駄な提案をせずにすみますね。
提案をするにも、工数はかかるので、その工数を無駄にしない意識は大事です。たいてい数100万円を取っている会社が、10万円しか持っていないお客様を相手にするのは時間の無駄です。
当初接触時に概算で価格帯を伝えてから、ご予算はどれぐらいですか?と聞いておいてもよいでしょう。
予算を聞くのは、失礼では?という人もいますし、本当のことを言うか?という問題もあります。ただ、あまりに予算のレンジが合わない場合は、お客様が言ってきます。ちょっとその価格では無理です、と。
お互い時間の無駄を省くと言う意味で、予算と概算価格は、ある程度あわせておくプロセスが提案前に必要です。
予算はある意味、直球で聞いてもいいのですが、プロセスをしっかり組むのならば、すこしずつ、布石を打つようなコミュニケーションが大事ですね。
「100万から500万ぐらいが多いですかね」と当初接触時に言っておく。
それで、ヒアリングをしたら、「このケースですと、100万に近いか500万に近いかといえば、500万に近いでしょうか?、まだわかりませんが。」と言っておきます。
それで、提案時に「いやーやっぱり500万行っちゃいましたよ」と言ってしまうほうが、布石は打てていますよね。
恋愛でもいきなり直球はしんどいというのはわかりますよね?いきなり「付き合ってください」と言われても困るのです。
だから、「付き合っている人がいるの?」と軽く聞いてみる。
「どんな人がいいの?どんなデートが好き?」とまた聞いておく。
それで「遊びに行かない?」と誘う。そういうプロセスを踏むことは大事ですよね。
たまに、このあたりのことが全然分からない人もいますので、そういう人はそういうもんなんだ、と思って下さい。世の中はあなたのように正直には出来ていないのです。
提案に工数がかかる商売では、無駄な提案をしないことはすごく大事です。提案前にしっかりとお客様の予算を見極めましょう。
その上で、先に述べた、1、3、5、10の付近、プラスマイナス20%で落ち着けると収まりがよいです。まあ、お客様の予算の余りが中途半端な場合もありますけどね。
ただ、そういうターゲットの数字を考えたトークスクリプトを作成する。営業マンに理解させる。健全な商売のためには必須ですね。
セールスプロセス改善シリーズはまだまだ語ることがあります。もう10回目ですが、語りつくすのにどれぐらいかかるでしょうか?果てしない道のようにも思いますが、楽しく書いていこうと思います。
それでは次回をお楽しみに。
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セールスプロセス改善
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。