「3年間で30%のコスト削減を実現!」このような新聞記事をよく見かけますが、実際には購買コスト削減が収益にダイレクトにヒットしているかどうかは、非常に曖昧です。 何ででしょうか?
まずは、例えばこれはMROの世界でよくあるケースですが、継続的に購入している(会社として)アイテムや物品に関しても、システムを通さないで発注を行ってしまう、マスター化されていたとしても、それに気がつかず、契約していないサプライヤから新規アイテムとして購入してしまう、というケースがあります。
もう一つのケースは案件の都度契約を行うような主にサービス系の商材に関して(工事やコンサルティング、業務委託、リース料、印刷費他)ある時点で推奨サプライヤを選定し、基準単価(時間単価や一枚あたり単価等)を決めたものの、発注時点で、推奨サプライヤ以外に発注をしてしまう等により契約価格が守られないケースです。
前者に関しても後者に関しても、何をどこに発注をするのか、を発注の時点で何らかの方法で管理していく必要があります。
それができないとコスト削減が実現できません。
管理方法としてはプロセスで縛る方法とシステム的に縛る方法がありますが、システム的に縛る方法には限界があります。
そう考えますと結局、何を買うか、どこに発注するか、という2つの時点で何らかの集中的な管理を行う必要がでてきます。
この集中的な管理を如何に効率的に行っていくか?が現段階での購買管理や購買システム導入での最大のポイントになってきています。
ある意味、契約上のコスト削減はそれほど難しいことではありません。一方で、コスト削減額を如何に収益にダイレクトにつなげていくか?は本当に難しい課題であると言えますし、当社でも色々な企業さんで取組みをしている大きな課題の一つと言えるでしょう。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。