-企業と中間管理職の関係性から組織診断の重要性を考える-
今年9月、アクセンチュア(経営コンサルティング会社)が米国の企業の
中間管理職322名を対象に『仕事の満足度とフラストレーション』に関す
る調査を行ったところ、「会社に満足しているか」という質問に対して、
「とても満足している」と答えた人の割合が47%、「少し満足している」
は41%、「満足していない」は12%という結果が出ました。
「満足していない」と答えた管理職はどんな点に不満があるのでしょうか?
◆日米共通の中間管理職の悩み◆
「中間管理職のフラストレーション」としては以下が挙げられています。
- 増加する仕事量(特に従業員500名以上の組織において多い)
- 仕事に対する称賛がない
- 仕事の生産性を向上させるためのサポートが少ない
- 上司からのサポートがない
- ワークライフバランスが実現できない
- 業務時間を越えて働くことが当然のこととして捉えられている
- 会議で多くの時間を割く
この結果を見ると、米国も日本も中間管理職の悩みはほぼ共通しているの
ではないでしょうか?
近年、日本企業においては、管理職になりたがらない社員が多く存在して
います。それは「管理職に就くと責任や仕事量が増加するが、それに見合
う報酬などのメリットが少ない」と考える人々が多いことが原因です。
しかし、会社組織は社長と管理職で決まるといっても過言ではありません。
企業側は管理職を育成し、サポートすることに注力する必要があります。
企業は管理職と積極的に関わり、「管理職がどのような悩みを抱えている
のか」、「それを解決するためにどのようなサポートができるのか」など
を把握し、「管理職としてどのようなスキルを身につけてもらいたいのか」
ということを伝えることが重要です。
◆組織診断の重要性◆
日本企業においてはプレーイングマネージャーが多いのが現状ですが、本
来、管理職としての一番重要な役割は「部下のモチベーションと生産性を
上げ、組織目標を達成させること」です。しかし、現実には多くの管理職
が「部下が思い通りに動いてくれない」と悩んでいます。
社員のモチベーション低下に関しては、「何が本当の原因となっているの
か」という根本的な問題を特定するために組織診断を行うことが重要です。
会計の監査は年に1回必ず実施するのに、日本では人事においては行って
いない企業がほとんどです。私は人間の健康診断と同じように、組織診断
は年に一度実施することをお勧めしています。それは、現代のような変化
の激しい時代においては、定期的に組織診断を実施し、組織の現状を把握
することによって、より柔軟に変化に対応できる組織作りが可能となるか
らです。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2008.12.15
2008.12.17