誤解、雑考

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今日届いたメルマガでは、帝京大学文学部教授の児島邦宏氏のこんな内容が書かれていました。引用して紹介します。

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◆甘えの中の「自立」
                  
 久しぶりに20人ほどの高校生にインタビューする機会があった。「最近の高校生は?」と、つい力が入ってしまった。

 テレビで見掛ける若い人とは印象が異なり、礼儀正しく、あいさつもしっかりしていて、「違うな。好青年ばかりだな」という印象を強く持った。「高校を出たら、自立したい」という声が、3分の2ほどもあったのには驚いた。

 そう感心しつつも、これは「最初の印象」にすぎないと思い過ごしを反省し始めたのは、インタビューを始めて間もなくだった。こうである。

 「自立というと、一人で生活するということなの?」

 「はい、そうです。親元を離れて、一人で生活します。アパートかマンションの一人暮らしです。料理をつくるのは、嫌いではありませんし……」

 「お金掛かるよ。大丈夫かな。やっていけるの。何か計画あるの?」

 「お金の方は大丈夫です。心配していません。やっていけます」

 「生活力があるんだね。感心だね!」

 「両親ともまだ若いですから。定年までまだまだですから。この不景気も乗り切っていける堅い仕事ですから……」

 「おいおい。それじゃ自立じゃないんじゃないの。それは自立と言わないんじゃないの?」

 「どうしてですか。親元を離れて、自分のことは自分でみんなするんですよ。一人で生活していくんですよ……」

 これ以上、話すのはやめた。彼らの言によると、「自立とは親からの別居」を意味するらしい。社会的(経済的)、心理的な「独立」とは、別次元のものらしい。

 もっと言えば、存分に親に甘え、おねだりし、好き勝手にわがままに一人暮らしをすることが、「自立」らしい。生活科で「自立の基礎」を養い、高校で「社会的自立」を目指してきたというのに。

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寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会

文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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