早朝通勤客と夜通し遊んだ帰宅客がすれ違う池袋駅前、朝6時過ぎ。 路上にはタバコの吸い殻、空き缶、ペットボトル、ガム、ティッシュなど種種雑多なゴミがこれでもかと散乱している。これからここを清掃するのだ。誰に命じられたわけでもなく、自主活動として。
もう一つの発見は、清掃終了後にあった。東口のパルコ前からはじめて、西武百貨店の端までを掃除した。所要時間約30分という短時間であったが、掃除開始前には「これは掃除してもムリだろう」というほどゴミが散乱していた駅前が、見違えるほどきれいになっていたことだ。ゴミ一つないとはこのことで、確かに9人で隅々まで掃除したので当たり前ではあるが、少々感動を覚えた。
成果が形として目に見えること。その重要さが理解できる。
掃除した側からタバコを捨てる馬鹿もいるのだが、それも黙々と集める。一見、賽の河原のような作業ではあるが、一度きれいになった状態と、きれいにする方法、きれいにできるという事実を知っているとそれもあまり辛くないこともわかった。
たった一度の体験で「掃除に学ぶ」というレベルにはなっていないものの、企業が決して精神主義、根性論だけでこうした活動を取り入れているのではないこともわかった。しかし、掃除という手段だけでなく、「やらされ感」を持たさないことと、「成果を目に見えるようにすること」などは当たり前ながら、あらゆる業務で留意すべきであることであると再確認できた次第だ。
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2008.10.16
2008.10.19
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。