「自分を客観的に見ることができる」 「あなたとは違う」 福田首相の辞任会見の言葉が、2ちゃんねる等で話題になっている。若者達が、その言葉にひっかかってしまう心情は、意外と正しい気がする。なぜか・・・。
いつ辞めてもいいと考えているリーダーのいる国では、
国民の未来へのモチベーションは沸き上がってこない。
いつ辞めさせらかわからない社長のいる企業では、
社員の忠誠心もロイヤリティも、育たない。
Human=人間の、語源は、
ラテン語のHumusであると、どこかで読んだことがある。
ラテン語Humusの意味は、腐葉土。
意のままにならないものを受け入れて、それでも待って待って・・・・
未来の訪れのために構える、備える、主体性がある。
自分を越えたものにつきしたがう精神に根付いた主体ある言葉が、
ヒューマンの語源だ。
腹を決めるということは、人事を尽くして天命を待つことだ。
腐葉土になる覚悟のことだ。
「待たない人間」は、腹を決めてない。
いつも傍観者である。だから、傲慢な欲望を表す。
福田首相は、会見が他人事みたいだと問うた記者に対して
「私は自分のことは客観的に見ることができるんです。あなたとは違うんです」と最後に気色ばんで・・・辞めた。
国に対して、国民に対して、客観的=傍観者であろうとし続けた賢いリーダーとしての本音だろう。合理的で、冷静で、常にエリートとしての英断をしてきたという自負だったのだろう。
未来に繋がる国益を生み出し続ける腐葉土になるような政治基盤を作ることに人事を尽くしたのではなく、短期の政局を睨んで傍観者として立ち振る舞っていたからこその言葉なのだろう。
「自分を客観的に見ることができる」と言ってしまうリーダーの、
リーディング能力は、たかが知れている。
「あなたとは違う」と言ってしまう腹座りの悪さは、どうだろう。
格差社会を象徴するような言葉じゃない。それって。
そんな言葉を、2ちゃんねるで叩かれている現状を見ると、
いまの若者達の感性は、意外と正しいのではないかとも思う。
プラス思考で考えれば、
そういうことを言わないリーダーへの待望論なのかもしれない。
待つことを忘れた国民。
待つことを許さないマスコミ。
短期の政局運営で動く政治。
みんなが同じ速度で動いている。
その時間を止めようとする、
速度を変えようとする思想や主体が生まれてこないかなと期待する。
無様でも何でも・・・
傍観者として言葉ではなく、主体性ある言葉でもって・・・
「待ちなさい」と喝破できる腹の据わった首相の出現に期待する。
この時間の流れに竿をさせる器のあるリーダーを期待する。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。