2008.07.12
『親はモンスターじゃない!』(小野田正利)~イチャモンとは…
寺西 隆行
(株)Z会
『悲鳴をあげる学校』(旬報社)に続く待望の小野田正利(大阪大学教授)の2冊目、『親はモンスターじゃない!』が学事出版より発刊されました。
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この段落の本質にある考え方は「弁えましょう」ってことに尽きると思います。
お金をたくさん払ったから、といって、その子の学力が比例して伸びるわけではありません。
お金をたくさん払えば、伸びる「機会」の提供が増加したり、伸びるために補助的に利用するツール(人を含む)の専有時間は長くなるでしょうが、それが学力の向上に直結するわけではありません。
費用対効果を最大化するために、本人の努力・向き不向きなどが大きく影響するのが、教育サービスです。
一概に「Aちゃんは月1万円で偏差値が5伸びたのに、うちの子は月3万円もかけて偏差値があがらない!(どうしてよ!)」と教育サービス側に文句を言うのは、明らかにイチャモンです。
一方で、上記のような特性を逆手にとって「あなたのせいでしょ」と教育サービス提供者が言い切るのも、もちろん違います。僕自身も強く言い聞かせたいです。自分自身に。
自分の立場・立ち居振る舞いを弁えましょうー
この段落で伝わってくることは、これに尽きるのではないでしょうか。
そして、どうしたら弁えてもらえるかー
それが、イチャモンから「つながり」を生むための、一つの大切な姿勢ですよね。
本書の残念なところは、小野田教授が学術分野で生きる方のため、本当に本書を読んで欲しい(つまり、たまに「モンスター」的な親の態度を見せてしまう)方の「読む気」をそそる構成としてはイマ一つのところです。
僕のように教育産業で生きる人間にとっては、大変興味深く第一章から読み進められるんですが、少し一般の方には難しく感じる分野の話もあります。
それが書籍の中盤にあるのであれば「勢い」で読めるのですが、最初~中盤までが少し難しい。
しかし、そこで抵抗を感じないで、最後まで読むときっと素敵な書籍ですよ!と伝えたいために、あえて書かせていただきました。
もし本書を書店で手にとられることがありましたら、最初に「あとがき」を読まれてください。
小野田正利教授から、本書の編集者、学事出版の二井豪さんへの絶大な信頼と、小野田教授の義理堅さがとってもよく伝わってくる文章です。
そんな素敵な小野田教授の書籍、そして実は知人でもある、若き教育者、二井豪さんのコラボレーション、是非ご一読を。
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