推理小説はお好きだろか。筆者はなかなかのファンである。事件が起こる。そして浮かび上がってくる犯人像や証拠の数々。トリックの解明・・・。そうしたドキドキさせられる展開がたまらない。 しかし、それを途中から、例えば半分進んだあたりから読み始めたらどうなるだろうか。
推理小説を半分過ぎたあたりから読み始めたら、上記のフレームワークに関わる事件のあらましや、利害関係者の洗い出しとその相関関係の把握などは済んでおり、「では、誰が犯人なのか」という「ターゲティング」や、「どうやって犯人を追い込むか」という「打ち手(施策)」の検討がなされているだろう。はっきり言って、その段階から読み始めても面白くはない。
しかし、実際のビジネスでプロジェクトがずいぶん進んだ状況から参画する場合、自ら「現場を見直す」ことをせずに、「ターゲティング」や「施策(4P)の検討」にそのまま加わってはいないだろうか。
推理小説を楽しく読むには、途中から読んだとしてもきちんと冒頭に遡って状況を確認すること。実際のビジネスにおいて、プロジェクトの成功確率を高めるなら、自らフレームワークを用いて納得がいくまで「そもそも何が起こっているのか」という状況把握をすることをお勧めしたい。
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2008.06.21
2008.08.15
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。