コリンズ監督の辞任は本当に無責任なのか

2008.05.22

組織・人材

コリンズ監督の辞任は本当に無責任なのか

寺西 隆行
(株)Z会

プロ野球:オリックス・バファローズのコリンズ監督が辞任することを発表しました。

サラリーマンでもいませんか?
組織の長、つまり社長の方針が気に食わず、逆らって密かに何かを遂行するということ。
それが本当に会社(チーム)のため、と思うのであれば、堂々と社長の前で宣言した上で、堂々と業務違反を行い、結果が出ない場合に降格や退職などの覚悟を決めて行うべきなのに。
そして、本当に会社(チーム)のことを考えているリーダーであれば、その業務違反を一時的に認知し、本当に結果を出した場合、部下に厚遇を持って処するはずです。

リーダーの方針に気に食わない場合は、「ルールを守った上」で、ルールを守っていると欠けてしまう部分を、+αの力を発揮することで補うべきです。
たとえば、居残り練習が禁止されたならば、自宅でスクワットを毎日して基礎体力を強化するとか。

ところが日本人。
ルールを守らず批判だけは一人前、多いような気がしています。

◆長所を検証したか

いわゆる批判屋の一番ダメなところはここです。
コリンズ監督が悪くした部分もあったかもしれません。
しかし良くした部分もあったかもしれません。

コリンズ監督でなければもっと成績が悪かったかもしれません。

リーダーの悪いところだけを指摘するのはバカのやることです。
良いところを評価した上で「総合的にあのリーダーのやり方はダメだよね」とするのが「判断」です。

監督をコーチ・選手が評価するとき、果たして正当な判断がされていたのでしょうか?

…もちろん、実際のところは分かりませんが、リーダー批判の際に日本人がやりがちな3つの点があったような…記事からは、そんな雰囲気を感じました。

そして。

この時期に監督業を辞めることは本当に無責任なのでしょうか。

「途中で職務を放棄する」ことが「無責任」という批判にさらされることは、誰だって分かりますよね。
しかし、そこであえて「放棄する」という選択肢を選ぶ。
そこにチームへの、野球への、たまらない愛情がある場合もあると思うんです。

最善の選択肢が「自分がいなくなること」と判断したのであれば。。。

少し話は違うかもしれませんが…
僕自身、Z会に初めてケータイでの本格的サービスを導入した人間です。
単なるケータイサイトではなく、CGMを絡め、かなりアイディアを捻出し、正直画期的なサービスになっていました。

もちろん思い入れもありました。利用者もそこそこいました。
でも1年で「サービス廃止」を決定しました(決定そのものはさらに半年前に行っているので、実質半年で撤退することを決めました)。
このままだと、会社の利益につながるサービスにはならないと思ったので。

自らが主力で関わったサービスの撤退決断ほど辛いものはありません。
でも、本当に「思い入れ」があるサービスであるからこそ、自分の思い入れだけで判断するのではなく、状況を見て判断し、涙をのんで撤退する姿勢こそが大事だー
そのとき痛感したことです。

コリンズ監督がもし、そんな思いならばー。。。

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寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会

文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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