ビル・ゲイツはあらゆる経営数字を徹底的に分析したことで知られる。その分析が今のマイクロソフトを築き上げる要因となった。では、会議の効率は何を指標に分析すればいいのだろうか。
余談になるが、筆者がアドバイザリーをしていた企業で、この『すご
い会議』を取り入れてみたところ、ものすごい変化があった。自分の
意見を書いて発表する。すごい会議のコアはこれに集約されるが、そ
の効果は驚くばかりだ。
話がそれたが、意思決定の会議を狙い通りに機能させることは難し
い。そこで新しいやり方を取り入れている企業として、日経産業新聞
にキャノン電子が紹介されていた。
同社は単位面積あたりの生産性を上げることにテーマを絞り、改善に
取り組んだ結果、会議も単位面積あたり効率を考えてはどうかという
問題意識を持つに至った。そこで採用されたのが「立ち会議」であ
る。
そのやり方はといえば、まずテーブルを用意する。といっても、イス
に座ることを前提とした高さではない。立ってちょうどよい高さに資
料をおいたり、パソコンを置いたりできる仕様となっている。まわり
を取り囲めば7,8人が参加できるサイズだ。極めてコンパクトであ
る。
従来の会議室に比べれば、その面積はマックス数十分の一に収まるだ
ろう。そこで立ったままで会議をする。勢い議事進行も早くなる。ム
ダ話もなくなる。参加者の意識も集中する。結論が出ないままに延々
と議論が堂々巡りすることは、みんなが嫌がる。といった効果があり
「かつて十六時間かかることもあった役員会議は、三時間で済むよう
になった(日経産業新聞2008年5月14日付)」という。
これなどは面積効率に着目して会議を進化させた好例ではないだろう
か。ビル・ゲイツ流数字による経営分析のバリエーションとして、面
積効率という指標は応用範囲が広い。御社の経営を見直す指標の一つ
に、ぜひ取り入れられてみてはいかがだろう。
※
文中でふれた内容について、ビル・ゲイツについての成毛眞氏のコメ
ントは、下記を参考にしました。
JMM [Japan Mail Media] No.140 Wednesday edition
/2001年11月14日発行
『シリーズ“メディア”Chapter3 対談:成毛眞×村上龍』第1回目
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