ビル・ゲイツはあらゆる経営数字を徹底的に分析したことで知られる。その分析が今のマイクロソフトを築き上げる要因となった。では、会議の効率は何を指標に分析すればいいのだろうか。
「会社の床面積が増えているにもかかわらず、電力量がそれに比例し
て増えていない。その理由は何か?」そんなことをビルは考えるので
す。
成毛眞氏があるメルマガ(※)で語っていた言葉が、とても印象に
残っている。ビル・ゲイツはこのように、ひたすら数字をチェックす
る経営者だったという。それこそ「ばかみたいに細かいところまで数
字を見て」いたそうだ。
その見方はといえば、売上や利益、原価、支出などを10年分ぐらい
重ねて、時系列での変化を見たり、ある商品モジュール群での変化を
見たり。とにかく現場を見るよりも数字を精査することで経営の舵取
りをしていたようだ。
では、もしビル・ゲイツが会議の効率を何らかの数字を指標として判
断するなら、何を指標とするだろうか。
当然コストである。いちばんに挙げるべきはその会議にかかっている
人件費だろう。これは会議参加メンバーの時給(厳密には諸経費を含
めるなら、単純時給×3ぐらいになる)×参加人数×所要時間(厳密に
は参加メンバーの移動時間を含む)ではじくことができる。
次は会議室の光熱費に加えて、飲み物を出すならその分の経費も加え
なければならない。そして意外に見落とされがちなのが、会議室の使
用料だ。会議の効率性を量る指標であれば、会議に使用した空間の広
さ×その空間を占拠した時間×単位面積あたり使用料も考えるべきだ
ろう。
ということは、たとえば時給数万円クラスの重役が10人ぐらい集
まって(しかも全国各地から交通費も使って)、都心の一等地にある
本社の広々とした会議室で、お昼には豪華な仕出し弁当でも取って、
一日じっくりと話し合いでもしたら、相当なコストをかけることにな
る。当然、対価に見合うだけの価値をその会議では叩きださなければ
ならない。
とまあ、これは極端な例だけれども、会議にかけられているコスト
と、その会議から生み出される新たな価値を天秤にかけて、会議の生
産性を意識している人たちがどれぐらいいるだろうか。
そもそも会議とは大きく2つに分けられる。報告・連絡、そして意思
決定だ。
報告・連絡系の会議は一昔前に比べれば、基調としては減少傾向にあ
るだろう。メール、グループウェアなどのコミュニケーションツール
が進化したせいで、単なる報告・連絡のために人が(経費を使ってま
で)集まることはさすがに減っているはずだ。
やっかいなのが意思決定のための会議である。これも、たとえば『す
ごい会議by大橋禅太郎氏』などを取り入れる企業が少しずつ増えて
いるようで変化の兆しはある。
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