近年、キャリアの自律、自律、と叫ばれるようになった。雇用する側も、働く側も、耳とアタマでは「自律的なキャリア形成」を知るようにはなった。けれど、問題はハラでわかったといえているかどうか・・・
さらに、この提言書の中では、「企業が求める人材像」として、下の3つの力をあげている。
1)志と心
=社会の一員としての規範を備え、物事に責任を持って取り組むことのできる力
2)行動力
=情報の収集や交渉、調整などを通じて、困難を克服しながら目標を達成する力
3)知力
=深く物事を探求し考え抜く力
なるほど、これら経団連のまとめた「自律型人材」に関する文面はよく練られたものだと思います。私も内容的には、ほぼ賛同します。
ですが、問題は、これはあくまで雇用側がつくった表現であり、この文面情報をそのまま働く側の従業員に読ませたときに、どこまで「ハラにストンと落ちていく」か、です。
「アタマで理解する」のと、
「ハラで納得・吸収する」のとは大きく異なります。
私は、働く人の「キャリア意識の萌芽・醸成」を目的とした教育プログラム開発を生業としていますが、最も入念に考えることは、
いかに「よりよく働くことの本質」を、
ハラにストンと落とす形で、
気づいてもらうかです。
(教えることはできません)
上のような経団連の「自律」の定義をはじめ、多くの企業でも、自社の従業員に「自律とは何か」、「わが社が求める人材要件とは何か」を、明文化して伝えることはしている。けれども、受け手の意識の土壌には、ジワリ染み込んでいかない・・・
次回は、私が現場の研修で用いている例を紹介しながら、引き続き「自律」とは何かについて話したいと思います。
ちなみに、予告編として、
自律を考えるときに、私が使っているのは、次の2式です。
3+5=●
●+●=8
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【1景】”自律”について
2015.07.29
2007.04.10
2015.07.22
2015.07.15
2007.03.26
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。