組織の成長を阻害する管理職ランキング ――データで見る「組織を止める上司」10の特徴

2026.10.20

組織・人材

組織の成長を阻害する管理職ランキング ――データで見る「組織を止める上司」10の特徴

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

組織が成長しないとき、私たちは市場環境や人材不足、若手の主体性、制度や戦略の不備に原因を求めがちである。もちろん、それらは現実に存在する問題だ。しかし、多くの企業や組織を長年見ていると、もう一つ、避けて通れない存在がある。管理職である。

問題なのは、すべての失敗を悪とみなすことである。「前例はあるのか」「確実に成功するのか」「失敗したら誰が責任を取るのか」。こうした問いが強すぎる組織では、人は合理的に挑戦を避けるようになる。

特にAIのような新しい技術は、実際に触り、小さく試し、失敗しながらでなければ、本当の可能性もリスクも理解できない。報告書を読むだけでは分からない領域が多いからだ。

失敗をなくそうとすることで、結果として「変われない」という最大の失敗を生む。これは、多くの組織で起こり得る逆説である。

第3位 答えを与えすぎる管理職

これは、むしろ優秀な管理職ほど注意が必要である。経験があり、判断が速く、部下より早く答えが見えるからこそ、つい先回りして答えを与えてしまう。

短期的には合理的である。部下が10分考えるより、自分が30秒で答えを言った方が仕事は進む。しかし、それを5年、10年と続けると、管理職はますます答えを持つ人になり、部下はますます答えを聞く人になる。

やがて組織は「考える人」と「指示を受ける人」に分かれていく。

AI時代には、答えを持っていること自体の価値は相対的に下がっていく。情報を集め、整理し、一定の答えを提示する能力はAIが急速に高めているからだ。これから重要になるのは、何を問うか、何を疑うか、何を選ぶか、AIが出した答えをどう判断するかである。

だからこそ管理職の役割も、「答えを教える人」から「人が考えられる条件をつくる人」へ変わっていく必要がある。

第2位 過去の成功体験を手放せない管理職

経験は貴重である。しかし、成功すればするほど「自分のやり方は正しかった」という確信が強くなるという側面もある。

その結果、「うちの業界は特殊だから」「昔からこれでやってきた」「そんなものは一時的な流行だ」といった言葉が増えていく。もちろん、すべてが間違っているわけではない。問題は、新しい可能性を検討する前に扉を閉じてしまうことである。

Microsoftの2025年Work Trend Indexでは、82%のリーダーが、その年を戦略や業務の基本を再考する重要な時期だと回答している。また46%のリーダーが、AIエージェントを活用して業務プロセスやワークフローの自動化を進めていると回答した。

世界では「今の仕事を少し改善する」段階から、「仕事そのものを再設計する」段階へ入り始めている。そうした時代に、昨日までの成功体験を絶対視すると、それが未来へのブレーキになる。

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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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