ノキアは今年、日本でシェア10%獲得を目指して本格攻勢に出るという。そしていよいよ今年中にはiPhoneが日本でも発売されそうだ。ノキアvsiPhoneの争いは、日本のケータイ市場をどう変えるだろうか。
高機能携帯と言いながら、機能面で一般受けするハイスペックがな
く、ワンセグ対応でない点などを考えれば苦戦する可能性もあると思
う。確かにカールツァイス製レンズはカメラを好きな人にはアピール
するだろうが、ソフトバンクのブランドイメージとカメラファンは少
しずれているように思う。流通対策にどんな戦術を展開しているの
か、今後のプロモーションがどうなるのか。成否を決める要因は、と
りあえずこのあたりにあるだろう。
ただし、ノキアがシェア10%を確保するためには、もう一つ強力な
敵に打ち克つ必要がある。iPhoneである。
早ければ今年後半には発売か、と予想されるiPhoneはこれまでの日
本ケータイ市場にはまったくなかった製品だ。iPhoneがこれまでの
ケータイと決定的に異なる点は2つ、そのユーザビリティとコン
ピューター性にある。
もう語り尽くされたことだけれども、指一本であらゆる操作を可能に
したiPhoneのユーザビリティは、それがケータイであることを完全
に忘れさせるだろう。iPhoneはケータイ電話でもあるが、ほかにも
いろんなことのできるデバイスである。筆者は残念ながらまだ
iPhoneに触ったことはない。とはいえiPhoneとまったく同じユーザ
ビリティを備えたiPod touchはAppleストアでしっかりと触らせて
もらった。その操作感にはいろんな表現が可能だが、あえて一言で表
わすなら『驚愕』だ。
いろんな機能を呼び出すことが簡単で、どんな機能でも直感的に使い
方がわかるイージーさは、携帯音楽プレイヤーとしてもまったく異次
元レベルにある。少なくとも自分がそれまで使っていたiPodの操作性
とiPod touchの操作性は完全に非連続的だった。この非連続的な楽
しい操作性経験を、これまでの日本のケータイユーザーがiPhoneで
初めて経験するとき、どれぐらい好意的に受け止められるだろうか。
携帯音楽プレイヤーでiPodが得たポジション、とまではいかないにせ
いよ、仮にドコモが本格的にバックアップした場合は、まず若い層を
中心に一気にブレイクスルーする可能性は高い。
しかもiPhoneにはもう一つ、強烈に魅力的な要素がある。これは極
めて使い勝手の良いハンドヘルドコンパクトコンピューターでもあ
る。ブラウザー、メーラーの使い勝手もピカ一。iPhoneが狙ってい
るタイミングは、こうしたメリットがフルに活用できるタイミング、
すなわち無線LANの整備状況を量った上での市場投入となるのではな
いか。
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