今回は、調達購買業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)について、最終回(3回目)の投稿になります。 先回述べた調達購買業務のDXの課題(特に情報系DX)に対して、どのように課題を解決していけばよいかについて述べていきましょう。
これらは購入品についてのDXですが、サプライヤ情報のDX、マネジメント情報のDXも同様であり、今収集できているデータから、何ができるか、これをまずは、検討していくことが重要です。
また、そのために最低限保持しておくべき情報があれば、何らかの方法で収集できるようにしていく、といった進め方をしていくべきでしょう。
このように考えると、DXと言っていますが、従来のナレッジマネジメントと同じ考え方です。リアリティのあるDXを進めないと、データを収集するために、もの凄く手間が、かかったり、データが揃わなかったり、揃っても、分析する上で、クリーニングしないと使えなかったりと、いう状況がおこり、データ分析のために、長い期間かかってしまうといった問題に陥ります。そして、結局は使えないDXになってしまうのです。
最後に、もう一つ調達購買DXで欠かせない視点を述べます。それは、他部門でのデータ活用です。特に、情報系DXの場合、データ活用するのは、従来は調達購買部門だけです。今後は、調達購買部門以外での、例えば上流部門である開発部門や、製品企画、営業部門、また製造部門などにもデータを提供し、開発段階での仕様設定で、そのデータを活用したりとか、製品競争力につながるような製品開発に、活用したりとか、造り易さにつながる購買品の選定などに活用したりなど、できるようになってくるでしょう。
このように、他部門でのデータ活用ができることで、効果が認識されれば、データの収集に対する負荷を、ある程度許容することにつながります。また、データ収集の必要性の認識も高まるでしょう。このような視点が今後の調達購買業務のDXには欠かせないと言えます。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。