前回の記事に引続き、モノが買えない時代における、対応について、いくつかのアイディアを説明していきます。
三つ目の方法は、1つ目の在庫を持つ、2つ目のマルチ化と並行して行う必要がありますが、「サプライヤから有利に扱ってもらう」ための関係性づくりが上げられます。
昨今、サプライヤマネジメントの概念に基づき、サプライヤとの関係性構築や情報共有、課題の共有や、双方向でのソリューション検討~実施~フォローなどを進める取組みを、多くの企業ではじめているようです。
「モノが買えない時代」には、従来のサプライヤマネジメントをにとどまらず、自社に優先的に供給をしてもらえるような、関係性づくりが必要になるでしょう。私は、これをサプライヤモチベーションマネジメントと呼んでいます。
サプライヤモチベーションマネジメントは、従来のサプライヤマネジメントを、一層深堀した施策の展開が、求められるでしょう。サプライヤモチベーションマネジメントの、具体的な手法と、ポイントについては次回に述べていきます。
四つ目の方法は、「何もしない」という方法です。もちろん、この場合には、販売機会を喪失しることがあります。ただ、先回、述べたような某自動車メーカーの場合は、(何もしていないとは言いませんが)販売機会を喪失しても、爆発的な製品力があるため、お客さんが待ってくれる、という状況になっているようです。
このように、製品に圧倒的な競争力があれば、このような方法を、意図的に取るという、やり方もないわけではない、のでしょう。しかし、通常、特にB2Bのビジネスなどでは、このような販売機会を喪失するような、施策は得策ではない、ため、1~3の対応方法を取らざるを得ない状況となります。
次回は1~3の対応方法を取る上で、ポイントとなる点や、特に三つ目の方法である、サプライヤモチベーションマネジメントの具体的な手法について、私の考えを述べていきましょう。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。