仕事において、様々な目標を持っている(あるいは目標として与えられる)と思いますが、その目標の背景にある役割について考えたことがあるでしょうか。 私たちが目標を設定する際、必ずある役割において目標を設定します。(あるいは目標が与えられます) 例えば、「今期の売上1億円」という目標の場合、「営業部員」という役割においての目標であり、「部下を接客のプロとして育てる」という目標は、「リーダー」という役割における目標です。また、「社員の給与を1割上げる」という目標は「経営者」としての目標となります。ビジネスだけではなく、「父親」「母親」「バンド仲間」「ボランティア」「サークルの一員」という役割もあるでしょう。
「自分のおかれている役割としての責任、目指すべき姿」というのは、残念なことに、上司や部下、顧客との認識が異なる場合のほうが多いものです。
ですから、目標を考える前に、自分の役割における責任を定義することは、とても大切なことです。
役割の背景にある「価値観」
そして、その役割を定義するときに、大きく関係してくるのが、あなたの持つ「価値観」です。この場合の価値観とは、「ものごとに取り組む際の気持ち、態度、ポリシー」といったことになります。自分なりのルールと言ってもいいかもしれません。
行動していて、「何か釈然としない」、「すっきりしない」、「納得感がない」ときなど、大きな原因の一つは、役割の責任を果たした(と思った)としても、その背景にある価値観と合っていないと感じるときです。
あなたには、たくさんの役割がありますので、その役割ごとに、同じ価値観で通すことができれば問題はないのですが、往々にして、「立場やその時の状況」、「問題が起きた場合」など、その都度、違う価値観で対応しなければならないことがよくあります。
これは意識をしておかないと、流されやすいものです。
価値観と、その価値観に沿った役割の定義、その定義に従った目標の設定、そしてその目標実現のための行動計画、この一連の流れができたときに、たとえ、想定した結果とならなくても、自分自身の行動に対して納得できることになります。
そして最も大切なことは、役割の定義は自分で変えることができるということです。役割の定義は与えられるものではありません。「お前の会社での役割は○○だ」と言われたとしても、あくまでそれは職務規定(ジョブディスクリプション)上のことであって、あなたの価値観や果たそうと考える責任のことではありません。
価値観にもとづいて、「何事にもチャレンジする気持ちを忘れずに、チームメンバーを率いる」「つねに成長を続けるために新しい仕事に取り組む」など、自分なりの役割の定義することはとても大事なことです。
そして、役割における定義を自分で行い、それを、上司を含めた周囲の人たちと共有することです。そうすることで、新たな目標への意欲もわき、賛同者も獲得することができますので、目標の達成確率も飛躍的に上がることでしょう。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.10.27
2010.03.20