ネット上のBlogや掲示板、QAなどから「クチコミ情報の解析」を行うサービスを展開するリクルートと電通の子会社、「ブログウォッチャー」が創業一年を迎えようとしている。
同社が運営する「クチコミポータル”SHOOTI”(シューティ)」というサービスでは、当該記事筆者の「実体験」を伴った記事だけを対象としてクローリング(抽出)し、検索結果を表示するという。
社長の羽野仁彦氏のインタビュー記事が掲載されていた。それによると<最近の消費者は、クチコミやブログの体験談を参考にして商品を選ぶという人が増えています。生の声を知りたいとか、レビューを知りたいという潜在的なニーズが非常に高い>という。そのため、実体験に基づいた評価が重要であり、それこそが事業の狙いであると。
ふむふむと読み進めると、ドキリとするような言葉が続いていた。
<(検索対象として)ただ単に新聞記事をコピペしただけのような、体験や評価が入っていないものは載せていません。なので、何百万PVもあるような、有名なアルファブロガーのサイトでも取り上げていないものは結構あります。アルファブロガーは評論ばっかりしていて、体験談が少なかったりするので(笑)。>
筆者はアルファブロガー(アクセス数が膨大で社会的にも影響力の強いブログを運営している人)といわれるほどの存在では全くないが、果たして自分が毎日このように発信している情報はどうなのかと。
基本的にはいつでも実体験を伴う、一次情報を発信したいと思っている。しかし、「毎日が新発見」な日々を過ごそうと、日々かなり街歩きをして取材をしいるものの、自ずと限界がある。また、発見の粒が小さく、単体で伝えるには厳しいこともある。ので、いったんストックされることも多い。
次に頼るのはやはりメディアからの情報だ。新聞・雑誌・ネットをくまなく眺め、読み込み、気になるニュースについて書く。ただ、一つの記事の感想文のようなモノは書きたくない。そのニュースをもっと分解し、何らかのフレームワークや理論でわかりやすく、再構成する。もしくは複数のニュースや、上記の自分の実体験から共通項や因果関係を読み解いて再構築することを心がけている。<ただ単に新聞記事をコピペしただけのような>とならないため、上記のような「分解と再構築」を心がけているつもりだ。
<評論ばっかりしていて、体験談が少なかったり>に該当するか気になるところだが、「分解と再構築」を行うベースには、今までの経験が下敷きになっている理解していただきたいところではある。
ブログは当然、無料公開しているのだが、読んでくれる人の限りある貴重な時間を割いてもらっているのだから「価値」のあるモノでなければならない。自分は価値を提供できているのか。この記事には価値があるのかと、いつも自問している。
表題の「ブロガーは何を伝えていくべきなのか?」という問いに答えはないのかもしれないのだが、筆者としてはどんな人に読んでもらいたい。また、自分としてはどのような価値提供をしていこうとしているのかを、以下のようなターゲティングとポジショニングで考えてみた。
・ターゲティング:既存のメディアでは飽き足らない情報を求めている人。
・ポジショニング:既存のメディアにはないニッチな情報や切り口で、読者に新たな気づきと視点を提供する。
今後もご愛読いただければ幸いです。
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2008.04.02
2008.04.02
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。