私がコンサルタントとして心がけていることは。質問に対して「全力で正面から答えること」です。
今回は私が今まで20年以上従事しているコンサルタントという仕事で心がけていることについてお話します。
著名な未来学者であり、様々な企業経営者のコンサルタントとして活躍したP.F.ドラッカーは自身のコンサルタントとしての能力についてこう言っています。
「コンサルタントとしての私の最大の強みは、無知になりいくつかの質問をすることである。」
これは非常に重要なことです。コンサルタントは、質問力を持ち素朴な疑問を行うことで、新しい発見を生み出すからでしょう。コンサルタントの仕事の多くは質問をおこない、現状の課題を定義し、それに対して解決方策を提案し、実現していくことになります。そのためドラッガーの発言はとても頷けるものです。
他方で、コンサルタントは日々顧客の状況を把握し、顧客をストレッチさせるような提案をしていくので、顧客を説得し、行動に移してもらうために、説得力のある資料の作成と、説明が欠かせません。その為には、論理的でわかりやすい資料が必要です。また説明のし方も重要な能力になってきます。
また、顧客に説明を行う場面では、多くの質問を受けます。それらの多くの質問に対してどのように答えるか、これも、とても重要です。
私が常日頃、心がけているのは、質問に対して「全力で正面から答えること」と言えます。
様々な場面で、よく質問に対して質問で返す人もいるでしょう。しかし、これは実は簡単な話法のテクニックです。ある程度話すことを、常にやっている人であれば、答えがわからない時に、誤魔化すのは、実は簡単なことでしょう。皆さんも、気をつけて観察してみると、質問に質問で返す人がとても多いことに気が付きます。
しかし、私は質問に質問で返すことはやりません。
「全力で正面から答えること」を、心がけているのです。
「わからないことはわからない、無理なことは無理、難しいことは難しい、知らないことは知らないと、」正面から全力で答えるのです。また、これは自分自身だけでなく、コンサルティングプロジェクトのメンバーや部下に対しても、そう指導徹底させます。
経験を積んだコンサルタントは、質問に対して誤魔化したり、質問で返したりするのは案外容易です。コミュニケーション力や話術は日頃の業務で、かなり鍛えられますし、自分の発言が
責任を問われないようなコミュニケーションをすることにも長けていきます。
経験を積めば積むほど何か質問されると、その質問に対して答えを持っていない、もしくは分からない場合に、質問返しをする方がいますが、私がこれをやるのは、唯一、質問の意味がわからないときだけです。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。