パナの高級トースター「ビストロ」は、なぜ2倍ペースで売れているのか

2021.03.12

経営・マネジメント

パナの高級トースター「ビストロ」は、なぜ2倍ペースで売れているのか

ITmedia ビジネスオンライン
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 おいしいトーストを食べたい――。そんな消費者ニーズに応えるかのように、高級トースター市場で“アツアツ”の状況が続いている。  先陣を切ったのは、バルミューダが2015年に発売した「バルミューダ ザ・トースター」だ。当時、トースターの価格は数千円が主流だったのに対し、ザ・トースターは2万2900円(税別、現在は2万3500円)。ケタ違いの価格に対し、業界からは「そんなモノは売れるわけがないでしょ」といった声もあったが、家電量販店などで並べたところ、売れに売れた。[土肥義則,ITmedia]

内田: 使い方はシンプルな形に仕上げました。クリックダイヤルを回して「あつぎりトースト」「アレンジトースト」など15個の自動メニューと手動メニューの中から対象を選び、スタートボタンを押すだけ。焼き加減は、5段階から選択できるようにしました。


シンプルなデザインに仕上げた

土肥: 従来モデルは「トースト」「ピザ」などと書かれたボタンを押すだけでよかったので、ダイヤルを回す一手間が増えたことになりますよね。ま、それはすぐに慣れるとして、トースター市場はいまどうなっているのでしょうか?

内田: 14年と比較して16年は7%も市場が拡大しているんですよね。販売台数の伸びに対して、平均単価も上昇傾向にある。つまり、高級トースターが売れていることで、単価が上昇しているのではないでしょうか。


土肥: ちょっと調べたところ、パナソニックはずいぶん前からトースターを扱っているんですよね。初号機が登場したのは、1935年までさかのぼる。ラジオを持っていない人たちが店前に群がっていた、いわゆる「街頭ラジオ」が流行っていたころに販売していたようで。

トースター初号機は1935年に発売

内田: ご指摘の通り、トースターの歴史は古くて、いまから86年前の話になりますね。また、オーブントースターは59年前に登場しました。これまでたくさんの商品を世に出してきたのですが、その中でも1999年に発売した「NB-G100」というモデルによって、できることが大きく変わりました。近赤外線ヒーターを搭載したことで、食材の中まで火を通すことができるようになったんですよね。

その技術は脈々と引き継がれていまして、2月に発売した「ビストロ」には遠近トリプルヒーターを搭載しました。遠赤外線ヒーターによって表面をすばやくカリっと焼き上げることができて、近赤外線ヒーターによって食材の中へ浸透し、中までアツアツにすることができるようになりました。

土肥: 中までアツアツということですが、数字でいうと?

遠近トリプルヒーターを搭載

利用者の課題を解決

内田: 冷凍厚切りトーストを使って、実験しました。近赤外線ヒーターを搭載していない一般的なトースターの場合、焼き上がり内部の温度は33.6度に対し、ビストロは76.4度。

土肥: 2倍以上。

中まであつあつの実証結果(冷凍厚切りトースト)

内田: あと、インテリジェント制御という機能を搭載していまして、パンの厚み、パンの温度、庫内温度などに応じて、最適な形で焼き上げることができるようになりました。そのプラグラムは、7200通りあるんですよね。

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