2007年12月に開催したIBSファイナンス研究会におけるユニゾン・キャピタル株式会社パートナーの木曽健一氏のご講演の要旨をご紹介いたします。
投資ファンドの仕事において投資が上手くいって結果的に儲かることはうれしいことだが、投資先の社員が仕事を面白いと思って取り組むようになる瞬間に目の色が変わることに喜びを感じる。
ヘッジファンドや上場株投資において、他者が気付く前に投資機会に気付いて投資をすることにも知的な面白さはあるのだろうが、会社に関わって、そこに勤める人々の目の色が変わるような経営の仕事をこれからもしていきたい。
東ハトへの投資後、暴君ハバネロのようなヒット商品を生み出したが、他の買収した会社でも同じようなヒット商品を生み出せるかは分からない。プロセスを良くすることやナンセンスな事をやめることなどは出来る。昔からやっているから、とか社長が言うから、という理由だけでおかしな仕事のやり方を継続している企業はよくあるし、人事においても正しい評価や配置が行われていないこともよく見かける。これらのことは比較的容易に改善できることだ。最低限出来ることと、仮説的に出来ることのさじ加減が投資の実行のために必要である。
自分で考える仕組みを作ることも大切である。社員は上司など上を見て仕事をする傾向がある。そこをお客様の顔を見て仕事をするようにすることが重要である。
東ハトの規模の会社を経営したのは初めてだったので貴重な経験だった。会社が破たんするなど有事の会社の経営は外科手術のようなもので、普通よりも高い目標を掲げて、そこに向けて社員を方向付けていくことが重要である。業績が良い平時にはより粘り強い経営力が求められる。派手さは無いが、厳しい自己規律が求められる。それができる経営者は優秀である。
経営者の仕事が大変であることは1年強の社長としての経験の中で実感している。そんな大変な社長を支援していけるプロの投資ファンドの経営者になりたい。
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