勝負には2つあります。「他者との勝負」と「自己との勝負」。自己との勝負を「克己(こっき)」といいます。私たちは一瞬一瞬、「自分に克つか/妥協するか」という“篩(ふるい)”にかけられています。その無数の内なる戦いの蓄積が、自分のなりゆく先を決めています。
何十年という長きキャリアの道のりを納得のいくものにするための、あるいは100歳まで生きてしまう時代をよりよく生きるための根幹の戦いは、他者との比較競争ではなく、自己に克つという「内なる戦い」です。
克己という内なる戦いに意識を置く人は、自分の成し遂げたいことの意味を十分に感じ取っていて、そこから内発的なエネルギーを湧かせます。それによって弱い心を打ち払い、負荷を乗り越えていきます。比較すべきは他者ではなく、昨日までの自分です。昨日よりも今日、今日よりも明日の自分がどう成長していくかに関心があります。
私たちは一瞬一瞬「克己」という篩にかけられている
他者との厳しい勝負に生きるプロスポーツの世界。超一級の選手は、勝利インタビューなどでよく次のような表現をします───「これまで苦しい練習を十分にやってきたのだから、練習どおりやれば結果はおのずとついてくると信じていた」。まさに「自己に克つ」習慣が基盤としてあり、その上に「他者に勝つ」ごほうびがくるという意識構えです。
私たちは一瞬一瞬、「自分に克つか/妥協するか」という“篩(ふるい)”にかけられています。その無数の内なる戦いの蓄積が、自分のなりゆく先を決めています。
さて、今年もすでに2月。古人が「一瞬即一生」と言ったとおり、「今・ここから」の自分との勝負が今年1年、そして未来を決していきます。
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2015.07.17
2009.10.31
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。