~管理職の超簡単統計学~ 「営業は科学である」こんな言葉をどこかで聞いたことがある。従来の気合と根性”だけ”の営業から脱却し、 「科学+気合+根性」の営業を考察してみたい。
営業経験のある方は、昔、上司からこんなことを言われたことはないだろうか。
「営業なんだから、外へ行け!事務所にはいるな!」
と。つまり、売上を増やす努力をしているならば、自然と顧客の所へ行くので、
外出も増え事務所に営業マンはいない。という前提に立っている。
今管理職の方々も、若き営業マン時代にそんなことを言われて、
「くっそー、ただやみくもに外出したって、売上が伸びるわけないだろー!」
と思ったことはないだろうか?
決して、それを否定するつもりはない。また、その理屈は正しいだろう。
ただし、私は100%賛同もできない。むやみやたらに外出していては、たとえば代理店販売等の場合は、顧客が自分へ連絡を取りたいときも、連絡ができない。つまり、職種や形態によるので一概には言えない。
また、昔と違って、顧客オフィスのセキュリティも厳しくなっており、以前のように、「まいどですー!」といって、アポなしで、ズカズカと顧客のオフィスへ入っていくことも
不可能になってきている。
無論、いまでも、フットーワク営業は、きわめて有効な手段だ。
しかし、現代においては、その前の準備段階がきわめて大事であることを、声を大にしていいたい。いずれにしても、会社としては結果が良ければいいのだ。
そこで、営業管理職は迷うだろう。
いまのご時世、部下を、やみくもに外出させればいいのか?
それとも、昔のようにガツガツ外出させるのがいいのだろうか?
たいていの人は、これらを自分の経験や直観で判断するだろう。
しかし、経営を大局観で一言にまとめると、「成功確率を高める」ことだ。
この解説は割愛するが、そう考えると「確率」に頼ったほうが、成功する確率も高いわけだ。マージャンをやった経験のある方ならおわかりだろう。マージャンは素人が参戦した場合、1度や2度は勝てたとしても、1年を通じて自分よりもうまい人とマージャンを打つと、最終的には勝つことはできない。これは、うまい人のほうが、捨牌と相手の手の内を読んで確率を上げているからだ。
前置きが長くなったが、そこで、管理職が知っておくべき統計学というものを考えてみたい。それは「標準偏差」と「相関性」だ。
ここでは、まずは標準偏差について触れてみる。
平均はよくご存じだろう。理系の方ならご存知だろうが、私は文系だが、標準偏差などは習った記憶が全くない。
しかし、ビジネス上で標準偏差は平均と全く同じくらい重要度が高いのだ。
標準偏差はインターネットで調べればいくらでも検索できるが、ひとことでいえば、「ばらつき度合」だ。
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2009.02.10
2015.01.26
株式会社メンター・クラフト 代表取締役社長
http://www.mentor-craft.co.jp/ http://www.mba-noryoku.com/ 大学卒業後、大手エレクトロニクス商社に勤務。その後、IT業界、映像コンテンツ業界と15年間の営業・企画・マネージャー等の経験を経て、 2007年4月に(株)メンター・クラフト設立。 豪州ボンド大学大学院 MBA(経営学修士) エグゼクティブ・コーチ(JIPCC認定) 日本コーチ協会正会員