企画書や事業計画書を作成するにあたって、経営学者が熟慮を重ねたさまざまなフレームワークを使いこなすことは非常に有効ですが、ときとして私たちは自らフレームワークを捻り出す必要に迫られます。 しかし、ゼロベースからのフレームワーク開発は誰にでもすぐにできることではありません。 そこで今回は、そんなシーンに有効な準用思考をご紹介します。
次に、実現可能性を高める「そこそこ戦術」から、どれか1つの能力をガッツリ伸ばすより、どれもそこそこ伸ばした方が有効であるかもしれない、という仮説を持つことができます。
上記をふまえ、共通点・相違点から修正内容を検討すると、ビジネスに関しての話という意味では共通しているものの、検討対象が課題は社員個人であるのに対し、適用フレームワークは組織・商品という面で異なっています。
対象が個人と組織とで異なると、何が変わるのかをもう少し突っ込んで考えてみましょう。
組織は、ヒト・カネ・モノ・情報を投入すればするほど、収穫逓減はするものの成果は増大します。
一方、個人の能力開発では、その個人の稼働時間と学習能力が大きな制約条件として働きそうな印象があります。
そこで、修正案としては、どれも均一に「そこそこ戦術」を用いるのではなく、以下のような調整が考えられます。
・その社員ならではの価値発見には周囲の協力を得ることで、本人の稼動投入を最小限とする。
・新規能力開発と既存能力開発は本人の稼働可能時間と学習能力を踏まえ、最大効用を意識した配分とする。
○おわりに
最後の事例はかなり荒削りではあったものの、極めて短時間で一次結論(ベース案)を導くことができました。
その理由は考え方・フレームワークを準用したからに他なりません。
繰り返しますが、ビジネスパーソンは学者ではないので、フレームワークの検討にあたり完全性を求める必要はないと考えます。
結論にいたる時間コストも含め、費用対効果の高い意思決定の支援という範囲での準用思考について、ご理解いただければ幸いです。
今回は非常に長くなりました。
最後までお読みいただいた皆様に厚く御礼申し上げます。
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2008.05.09
2008.05.28
株式会社エデュテイメントプラネット 代表取締役
社内教育担当者・教育事業者・学校法人を対象に、研修(授業)企画・教材開発サービスを行う。 特に、繰り返し実施する研修で、講師の品質に大きく左右されず、常に一定品質以上の教育効果を生むことをめざした研修の企画・開発を行っている。 開発した教材のテーマやメディアは多岐に渡り、ビジネスゲーム『ロボロボ』は韓国大手製鉄会社でも活用されている。