リモートワークや自宅での勤務を採用する会社が増えてきた。マスコミも、この機会に働き方改革を一気にすすめるべきだといった論調が目立つ。 では、リモートワークの場合、どんなスキルが必要なのだろうか。
だから、フリーの方々で、自宅を事務所兼用として仕事をしている方々には、心から尊敬する。私自身、そういう方々と仕事をする機会も多いが、質、量ともにスペシャルな人たちばかりだ。
では、どんなスキルが必要なのだろうか。
リモートワークの場合、メールやチャットでのやり取りが中心となり、明らかにコミュニケーションの量が減少するので、端的な表現力と理解力、つまり、的確な文章力と理解の早さが必要だ。
ところが残念なことに、こういうトレーニングを行ったことのある人は限られており、大半の人の文章では、本意が伝わることはない。何を言っているのかわからない人も多いし、数時間やり取りしても、さらに疑問符のついたメールを送ってくる人もいる。
もう完全に、移動してでも会って話をするべきなのだが、こうしたロスは、非常に多いし、ストレス満開になる。
余談だが、メールや言葉では、やたらと過激に、攻撃的になるひとも少なくない。会って話す分にはいい人なのだが、メールだと言えないことも言えてしまうのだろう。そういう人が、リモートワークをしてしまうと、精神的にもよくないのではないか。
それから、根本的なことになってしまうが、普段オフィスにいる人がリモートワークをこなすために本質的に必要なのは、仕事への主体性だろう。もともと指示待ち、受け身体質の人の場合、在宅ほど快適なものはないと思う。企業でお勤めのサラリーマンの方々には、会社に行く事、会議に参加することなどが仕事になっている人が少なからず存在する。
ということは、成果が仕事ではないから、リモートだとすることがない。本人にとってはこんな楽チンな仕事はないのだが、リモートワークによって成果を求められたりすると、これはやっかいなことになる。
オフィスにいれば、なんだかんだと指示を受け、やることは出てくる。しかし、リモートだと指示はほとんどこない。指示がなければ仕事しなくてもいいのだ。
以前、私も「この人はスペシャリスト」だと思ってある人を採用したのだが、「何時から何時までが勤務か」「会社に来たらまず何をするのか」といった質問ばかりが来たときには、驚いたものだ。てっきりその人が持っているスキルを発揮するために、仕事をしたいと思っているのだと判断していたのだが、どうも違ったらしい。
リモートワークに切り替えると、この逆のことが起きる。
的を得た判断力、素早い理解力、仕事への主体性、なんのことはない。
リモートワークでも可能な人は、普段から仕事ができる人だったのだ。
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