KGIは言うまでもなく、Key Goal Indicatorの略であり、(ビジネスの)最終目標を定量的に評価できる指標です。 重要目標達成指標とも呼ばれます。一方でKPIはKey Performance Indicatorの略で、KGIを達成するための各プロセスが適切に実施されているかどうか定量的に評価するための指標で、重要業績評価指標とも呼ばれています。 新型コロナ対策でも適切な目標設定とともにKGI、KPIを設定すべきです。
そうすると現在の対策の良し悪しや、不十分な対策案を検討することができます。
まず政府は、2月25日の基本方針で①テレワーク、時差出勤の推進②イベント等の開催の必要性検討③疑似症患者に対するPCR検査④個々の患者および患者クラスターの把握および抑え込み⑤学校等の臨時休業等の適切な実施⑥医療機関における病床や人工呼吸器等の確保⑦医療関係者等に対して、適切な治療法の情報提供を行うとともに、治療法・治療薬やワクチン、迅速診断用の簡易検査キットの開発等に取り組む⑧患者の更なる増加や新型コロナウイルス感染症の特徴を踏まえた、適切な入院医療の提供体制、などが上げられています。その後2月27日に政府は学校の休校を要請し、また水際対策の追加として、3月9日から中国・韓国からの入国制限を対策として追加しました。
端的に考えてみると国内での感染拡大を防ぐためには、感染者が次の感染をさせないこと、です。つまり全ての感染者が2週間感染させないことが求められます。しかし、現状全ての感染者を明確にすることは難しいです。また新型コロナは感染しても自覚症状がない軽症者が80%以上を占めるというやっかいなもの。そうすると患者および患者クラスターの絞り込み、最低限感染を防ぐための学校の休業、クラスターの元になりそうなイベントの中止、などができる最善策となるでしょう。
こう考えると今うっている国の施策はあながち間違っているとは言えません。
一方で上記対策の⑥~⑦のような重症者対策をより優先すべき、であり、あまり報道はされていませんが、「重症者の発生を抑える」という目的を達成するためには、本来最も重視されるべき対策かと考えられます。
そう考えると死亡者数が6名(3/6日時点)ということは、人口比で考えると、政府の対策はうまくいっているとも言えるでしょう。一方でWHOの調査によると新型コロナの致死率は3.8%と発表されています。しかし、これは医療崩壊が見られた中国武漢市の5.8%も含んでのことで、中国の他の地域では0.7%とのことです。
これで逆算してみると、日本国内には現在900人弱の感染者がいると計算できるので、今後しばらく感染者は増えていくことでしょう。
現段階でのKGI、KPIとしては、おそらく1500人~2000人規模の感染者をピークとして10人程度の死亡者数(致死率0.5%)に抑えられれば、どうにか重症化を抑制できたと言えるのではないでしょうか。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。