査定というと、一般的には不動産価格や自動車の買取価格の評価のことを意味するようです。しかし、調達購買の人間にとってみると、「査定」という言葉が通じない人は恐らくいないでしょう。今回はこの査定について手法を理解していきます。
また、一番「説得力」が低いのは「予算対比法」です。これは予算コストを「基準」として「比較」することになります。「今回予算がこれしかないから、これでお願いします」的な
査定手法です。(査定と言えるかどうか微妙ですが)
いずれにしても査定手法についてバイヤーと話しだすと、話がとまりません。私は13種類に分類していますが、各バイヤー毎に様々な手法を活用している筈です。
重要なのはこれらの手法を活用し、「効率的」かつ「説得力」ある査定を実行することでしょう。
そういう点からも、様々な査定手法を層別化し、体系化し、捉えることはバイヤーにとって役立つことです。
最後に、これは13の査定手法には入っていませんが、究極の査定手法について。それは「査定しないこと」です。
言い換えると「査定する必要がない見積を提出させること」でしょう。ある自動車メーカーの調達購買部門では、競合や査定は、能力のないバイヤーのやること、究極は「査定する必要がない」見積りが常に提出されるように、日頃からサプライヤとの関係を強化したり、見積り能力を高めたりすること、と言われています。
これはこれで理にかなったやり方と言えるでしょう。見積りや査定には正解なんてありません。実は本当のコストなんて、誰も分からないのです。コストの妥当性を評価する能力はバイヤーの機能・役割にとって必要ですが、それだけを持っていれば十分かというと、そうではないかも知れません。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。