APQCの興味深いレポートと2015年に出された人材育成勉強会の報告の共通点とは何か。今後調達人材のタレントマネジメントはどう変わっていくか。
一方で調達購買機能がグローバル化や、新技術獲得や、多様な市場でのリスク管理や市場ニーズの把握に移行しつつあり、より戦略的なソーシングやサプライヤマネジメントを求められ始めているにも関わらず、多くの調達組織では、将来的に求められる機能を満たすプロフェッショナルの人材育成ができていない、とこのレポートでは指摘しているのです。
APQCは調達購買スキルを1.JOB-SPECIFIC、2.GENERAL BUSINESS、3.SOCIAL、4.DEEP WORKの4つのスキルに大別しています。
1.JOB-SPECIFICはFUNCTIONAL COMPETENCIESとも言え、サプライヤリレーションシップマネジメント、サプライヤリスクアセスメント、支出分析やカテゴリーマネジメントなどの調達業務固有のスキルです。
2.GENERAL BUSINESSは企業倫理、チームプレイ、リスクマネジメント、プロジェクトマネジメントなどのファンダメンタル系スキルと言えます。
3.SOCIALはコラボレーションや変革への貢献などの「ソフト」スキルであり、コミュニケーション、ステイクホルダーマネジメント、リーダーシップなどが含んでいるものです。
4.DEEP WORKはクリティカルシンキングやディシジョンメイキング、判断力などの思考法のようなスキルでしょう。
これらの4つに大別したスキルに対して将来の調達購買機能を満たすために必要なスキルをアンケート調査したところ、以下の様な結果になっています。
1位:Business ethics 59.8%:GENERAL BUSINESS
2位:Communication 55.9%:SOCIAL
3位:Stakeholder management 54.9%:SOCIAL
4位:Relationship building and management 52.0%:SOCIAL
5位:Critical thinking 48.0%:DEEP WORK
6位:Supplier relationship management 47.1%:JOB-SPECIFIC
7位:Leadership 46.6%:SOCIAL
8位:Complex decision-making 42.2%:DEEP WORK
9位:Traditional negotiation 41.2%:SOCIAL
10位:Team player 39.7%:GENERAL BUSINESS
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。