最近コンサルの現場で感じるのは、改革を推進する上で必要な力を持つ改革推進者や、優秀なバイヤー担当に共通する素養です。今回は改めてその4つの力を整理してみました。これは単に調達購買部門に関わらずビジネスマン共通に言えることでしょう。
このような改革推進者を外資系企業では”Change Enabler”と呼びますが、日本企業の調達購買部門でもこのようなChange Enablerが増えていることを日々実感しています。またそれによって今までにない改革を進めている企業も増えているのです。
次はバイヤーに必要な4つの力です。
私はバイヤーの4つの素養は「徹底力」「情報力」「コミュニケーション力」「頼られ力」だと考えています。
1つ目の「徹底力」については以前「しつこさ」というテーマで書かせていただいた内容です。
調達購買業務は、時には、社内の実力者や設計部門の部長を説き伏せ、時には言うことを聞かないサプライヤを説き伏せ、動かす力が必要です。どうやってそれを実現するか、人それぞれスタイルはあることでしょう。ただ共通して言えることは、優秀なバイヤーは「徹底力」を持っていることです。細かい文書化や整備されたルールを徹底すること、徹底するだけではなく、他人に徹底させること。それを実行させることによる将来的なメリットを確信して自分が納得できるまで「しつこく」こだわること。これが1つ目の力でしょう。
2つ目は「情報力」これはよく言うアンテナの高さです。
様々なニュースが日々流れています。そのようなニュースの中で何のニュースが大きな自分にインパクトを持つものか、またそのニュースや事象が何を意味しているのか、情報に関する感度の高さと洞察力を高めること、これが「情報力」です。多くのバイヤーは自分から情報を集めにいくことをあまりしません。何故なら情報が集まりやすい立場であり、「情報というものは誰かが持ってきてくれるもの」という意識がどこかにあるからです。これからのバイヤーは
複雑化した時代の中で「情報を集め」「分析・共有し」「洞察する」これらの「情報力」を一層高めていかなければなりません。
3つ目は「コミュニケーション力」です。誰もがその通りだと思われるでしょう。コミュニケーション力で重要なポイントは二つあります。「論理性、説得力」と
「モチベーションを持たせる力」です。「徹底力」でもふれましたが、バイヤーは社内外のステイクホルダーや自分自身に対して何らかの徹底をする必要があります。ここで重要なのは「相手を説得するための」論理的な思考であり、説得する力であり、それをコミュニケーションとして実行できる力です。また一方で様々な現場では論理的な説明だけでは通用しない場面がいくらでも出てきます。こういった場面では「論理性・説得性」だけでは説得できません。これらの場面では「モチベーションを持たせたり」「勇気づけ」を行ったりするコミュニケーション力が必要になります。これが本当の「コミュニケーション力」です。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。