最近コンサルの現場で感じるのは、改革を推進する上で必要な力を持つ改革推進者や、優秀なバイヤー担当に共通する素養です。今回は改めてその4つの力を整理してみました。これは単に調達購買部門に関わらずビジネスマン共通に言えることでしょう。
今回は企業内での改革推進者に求められる4つの力とバイヤーに求められる4つの力について述べていきます。
以前記事で取上げた内容ですので、記憶されている方もいらっしゃるでしょう。
まずは企業内での改革推進者に求められる「4つの力」です。私は「意識」「手法」「インフラ」「実行力」の4つを上げています。
『意識』は正に改革に対する意欲です。
多くの企業の場合、既に「意識」が高い方がどこかにいらっしゃいます。何らかの改革を始める場合「あるべき像」と「ありたい像」を徹底的に討議し、共有する。「あるべき像」「ありたい像」の仮説をイメージするために多くの先進的な事例を共有する、また他社の改革推進者の声を聞き、周りに聞かせる、等々、、
意識の高いキーパーソンの発掘とともに高い意識の醸成を促していく必要があります。
『手法』とは改革手法のことです。プロジェクト管理のための手法やタスクの設計だけでなく、パワポ1枚、エクセル1枚のフォーマットも、場合によっては有益な道具になります。また『手法』は現場で使い、ブラッシュアップさせることで使いやすくなるでしょう。改革推進者は手法を活用する力を持ち、ノウハウを常に成長させることができる力を持っています。
『インフラ』『手法』と近いものですが、主にIT技術などを活用する力です。業務改革の基本は標準化でしょう。標準化した業務を統制するにはIT技術の活用は非常に有効です。特に調達・購買業務は社内外に多くのステイクホルダーが存在します。これらの多くの関連者を情報共有したり、管理するためにはどうしてもITの力が必要となるのです。
最後は『実行力』です。これは改革を推進する力と言えます。
改革を推進する上で一番重要な力は「制約を取り除く」ことです。もし改革推進する上で何らかの制約となっていることがあれば、それを取り払うことが肝要でしょう。制約を取り払うだけで、改革は自然と進んでいきます。そのためには何が制約となっているのかを見極める力と、現場に張り付きながら試行錯誤を繰り返し制約を取り除くことが改革の推進につながるのです。
これらの4つの力を持っている改革推進者は日本企業の調達購買部門にも徐々に増えています。またコンサルタントを上手く活用して、これらの4つの力を補っていける改革推進者も増えています。改革推進者は経験や年齢を積んだ人ばかりではありません。若手の改革推進者でもうまく周りを巻き込みながら改革推進者に必要な4つの力を補いつつ、改革を進めています。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。