今回レポートではオセアニア諸国、つまりオーストラリアとニュージーランドの現在の経済状況と中央銀行の金融政策について解説したいと思います。 この両国は経済活動のかなりの部分を中国経済に依存しています。その結果、大きく影響を受けていることを示しています。
RBNZ(ニュージーランド準備銀行)のインフレ目標は1~3%です。そして現在のインフレ率つまり消費者物価指数は第2四半期:1.7%です。
RBNZはインフレ目標のミドルポイントの2%を下回っているとし、今年に入り政策金利(オフィシャル・キャッシュ・レート)を2度(5月8日:0.25%、8月7日:0.50%)引き下げ、現在は1.00%です。
下記グラフ(出所:RBNZ)は2000年から現在までの政策金利を短期金利(90日物金利)の動きを示しています。大きく金利が下がっていることがお分かりかと思います。
中国の景気悪化懸念、グローバル経済の悪化懸念から、RBNZの先手に手を打っていると言えます。
RBNZ声明文では、景気を下支えインフレと雇用の目標を維持するために、必要であれば更なる財政及び金融刺激策の余地があるとして、追加利下げ実施を示唆しているようです。
ニュージーランド10年債金利も1.05%近辺で推移している現状です。年初には2.35%近辺を示していましたから、豪債同様に大幅利回り低下の動きとなっており、こちらも投資妙味は少ないと言えそうです。
まとめ
オセアニア諸国への投資には現在ネガティブなようです。
中国経済の状況、そしてオーストラリア不動産価格指数、ニュージーランドの酪農の現状、そしてRBA、RBNZの金融政策を注視し、景気後退の最終段階かどうか、景気浮揚が見え始めるかどうかを確認したいと思います。
当レポートでも報告したいと思っています。国の格付けが良いだけに、将来の投資先として選択肢のひとつには置いておきたいですね。
«記事作成ライター:水谷文雄»
国際金融市場に精通するInvestment Banker。
スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替および金利・債券市場部門で活躍、外銀を知り尽くす国際金融のプロフェショナル。新興の外国銀行(中国信託商業銀行 )の東京支店開設準備に参画しディーリング・ルームの開設を手掛ける。プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、スペインと日本との文化・経済交流を夢見るロマンティスト。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.02.10
2015.01.26